第3話

文字数 1,561文字

その日もポポに会いに来たアーリーですが、
ポポはいませんでした。周りのタンポポもなぜかいなくなっています。ポポが居た場所には、
ちぎられた茎が少し残っていました。

その時、地面が大きく揺れるのをアーリーは感じました。
ドスン、ドスン、ドスン、キャッ、キャッ
「あったあった、ここにもタンポポが」
女の子の手にタンポポがたくさん握られていました。なんとその中にポポがいました、、、
「もっと摘まなきゃ、タンポポのネックレスは長い方が可愛いんだから」
ドスン、ドスン、キャッ、キャッ
言葉を失い呆然としているアーリーの前を、
女の子達は楽しそうに通りすぎて行きました。

アーリーはポポが居た場所をただ眺めていました。ポポ、、、、

しばらくして、うなだれながら歩き出した
アーリーは、こんな悲しい思いをするなら、
もう2度とみち草をしないと心にきめていました。

それからのアーリーはみち草をせず仲間と食べ物を探しに出かける日々でした。
仲間はアーリーに、珍しい事もあるもんだ、
アンタが私達とずっと一緒にいるなんて。
得意の逃げ技は使わないようだね。
私達が働いていたって知らん顔だったくせに。
と言いたい放題でした。
それにしても随分暗いじゃないか、能天気なだけが取りえだったのに。
静かすぎると反対に不気味だね、
などなど、たくさんの事をいわれましたが
アーリーは黙って聞いていました。
今は何も考えず、ただ体を動かしてポポの事を忘れたかったのです。
それでもアーリーは仲間の役にもたっていました。アーリーは散々みち草をしていたみち草名人ですから、仲間が知らない食糧の場所などを少し知っていたのです。そういえば、あそこに、と
自分からその場所を知らせると、みんなビックリ‼️ 仰天。
こんな所に餌場が!と大喜びです。
なので仲間がアーリーを見る目も少しずつ変わっていったのです。でも仲間が喜んでいても、
今のアーリーに嬉しさは感じられませんでした。

そんなある日、ポポを連れて行った女の子に出会いました。
その子はタンポポのネックレスをしていました。そのネックレスの中心にひときわ大きなポポがいました。

すると、女の子の足元の草がサワサワと揺れ、
波のように動きながらアーリーの所でピタリと止まり、草の中で咲いてるラッパのような白い花を通してポポからの伝言を伝えてくれたのです。
「アーリー、ポポよ。私がいなくなってビックリしたでしょ。でも私はとっても元気よ、心配しないで。ねえアーリー私いま歩いているのよ。
遠くの景色がはっきり見えるわ。こんなに大きな公園だったのね。いまは仲間のタンポポとおしゃべりし通しなの。アーリーと会えなくなってとっても寂しいけど、いつかまた絶対に会えるから、待っていてね」
そう言って、女の子と一緒にはずみながらポポは行ってしまいました。

ポポからの伝言を聞いたアーリーは、また一気に元気をとりもどし、
次の日から いつものみち草アーリーに戻ってしまいました。でも、アーリーの仲間は以前のように知らんぷりではなく、困ったもんだねと笑っていました。

「いやーこの間は酷い目にあったな。
あのタンポポの野郎。遠くまでぶん投げやがって。帰って来るのに随分かかっちまったじゃないか、チクショウ。
今度はこっちから茎に噛みついてやるからな。
この間は腹が空きすぎてアリに気を取られていたから、タンポポ野郎に気が回らなかった。
今度はやり返してやる」そう思いながら遠くにいるはずのあのタンポポを睨みつけたトカゲでしたが、
「あれ?あのデカいタンポポがいないぞ、あれ?
あの辺のタンポポも全部ないじゃないか。
、、、、ははーん。とうとうやつらも片付けられたか。オレ達にはどうする事も出来ないあの奴らに。よし!今度はあのアリを逃さないぞ」
トカゲは舌なめずりしながら、小さな穴にシュルッと入っていきました。。

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