第2話 歯磨き

文字数 177文字

 すうっと息を吸い込むと、
 澄ましたミントの香り。

 そのまま口に押し込んで、

 しゃこ、しゃこ、しゃこ
 しゃこ、しゃこ、しゃこ

 あの資料、やっぱり手伝って貰えばよかったな。
 アミからのLINE、返信遅くなっちゃった。
 駅で迷っていたおばあさん、声をかけるべきだった。

 しゃこ、しゃこ、しゃこ

 磨きすぎて、削れてしまいそう。
 このまま消えてしまえばいいのに。
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