2-2 えいめん、すごい聖女に育つかも【てんゆう、弟子が可愛くてしかたがない】
文字数 1,480文字
私が全力をもってキリスト教への回心に導くべき、この島国一なる大蛇怪
クサナギの剣。
それなる極上の武具をもって、かの
「それでは最大規模の武家による
嬉々とした様子で語り続けるは、我が信仰においての弟子。彼女は柳生烏丸。
「ですね、そうともいえます。最後の源平合戦、若武者に育った牛若丸の失態によって、壇ノ浦に消えた天叢雲剣は、偽物というわけではないですが、失われしソレは
それにしたって、この
こんな思考、こちらの戸惑いを気づきもせずに……いやそうではないのか。
「『それそのもの』の
あああああ、まなじりに涙が溜まりそう、鼻がツンとなる。気づいてしまった。この女性は、おしゃべりが本当は好きでたまらなかったのに、誰も相手がいなかったから夢中になってるだけだ。こちらが若干ひいてることも承知してるのに、舌を止められないほどに今までずっとずっと寂しかったと……どうすればいいんだ、この可愛い生き物。
だけどダメなんだ。このままじゃこの人は、永続的な幸せには届かない。
「
「なぜ!?、そのことをご存知で?」
「いや、ご存知だったわけじゃないんですがね」
う〜ん、どこから説明すれば良いだろうか。上から目線になってしまうかもしれないが弟子を幸福に導くのは師匠の
「あのね。日本の正教会は天皇陛下に祈りを捧げるでしょ。そのことで右翼的な宗派だと思いこんでる一部の日本人、けっこう多いんだと思うなぁ
「なにを言ってるんですか?。そんな莫迦な!」
あーやはり、こういう人格か。人の世から消えることのない汚濁、そんなものに一切近づこうしないから、剣術以外の心法にとても
「マタイによる福音書 第7章13 『狭い門から入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い』
小柄さと若々しさのわりに、
シワもないのにキョトンとした表情はどこか老けていて
“ 孤独なる
ああ私 カトリック仙人 天佑こそが、我が想い人を守らねば。