第四章 二十四話 「正義と懐疑と執念と」

文字数 6,971文字

自分の使用する武器や車両、施設に関してはその構造や原理、設備の配置などに関しても詳細まで把握していざという時に対応できるようにする…。普段から最悪の非常時を想定して続けていた習慣のおかげで、圧倒的多数の追手に追われている緊迫の中でもメイナードは追跡者達を翻弄することができた。
「奴はどこだ!」
「早く探せ!逃げられるぞ!」
破壊された発電設備のある建物に集結したタイ空軍の警備兵達が現地語で怒鳴り合う声を聞きながら、排水管や換気ダクトの中を動物的な速さで移動したメイナードは追手の誰一人にも見つかることなく、喧騒の闇に包まれた建物の外へと換気口の穴からヌルリと這い出た。建物の外には発電設備の方へと向かうタイ空軍の兵士達が数人走り回っていたが、音はおろか気配すら消して動く影となったメイナードに深い夜の闇の中で気づくことができる者はいなかった。
「問題はデルタだな…。」
換気口から地面に滑り降りると同時に建物の脇のダストボックスの陰に身を滑らせたメイナードは最初に殺害したデルタ隊員から奪った携帯型暗視ゴーグルを装着すると、周囲の建物の屋上を睨んだ。小型化に成功したばかりで解像度がまだまだ低い個人用ナイトビジョンゴーグルの視界は粗く、とてもクリアとは言い難いものだったが、既に卓越した兵士としての感と経験で敵の位置に目星をつけていたメイナードは緑がかった視界の中に映る管理棟建物の屋上に数人の人影が映っているのをすぐに見つけた。
デルタの狙撃手…。
ノイズの多い赤外線ゴーグルの中に映る人影が大型の暗視装置をつけた長身のライフルを構えているのを並外れた視覚で捉えたメイナードは自分の予想していた脅威が予想通りに配置についていたことを確認して鼻を鳴らした。彼が向かおうとしているタイ空軍のヘリコプター屋外駐機場はメイナードの位置からは三十メートルほど離れており、そこまでの間には身を隠すものは何もなく、赤外線の目を持つ狙撃手からの監視には無防備だったが、既に並外れた知略と破壊工作の才でタイ軍人やCIAに舌を巻かせていたこの男が何の策も用意していないはずがなかった。
「流石はアメリカ合衆国最強の特殊部隊…、対応に抜かりはないか…。だが、暗視装置の視覚など幾らでも欺けることを教えてやる!」
そう独り言ちたメイナードはダストボックスの陰から身を転がすと、数メートル離れた位置に設置されていた大型のポリタンクに体を密着させ、その表面に戦闘服の鞘から抜いたコンバットナイフを突き刺した。プラスチックの外装が切り抜かれる音とともに破損箇所から腐臭を放つ液体を溢し始めた青色のポリタンクの表面には暗い闇の中では識別しづらかったが、廃棄排泄物と書かれていた。

「ゴースト」のために用意された格納庫とは別に、この基地に駐屯するタイ空軍のヘリコプターが所狭しと並ぶ屋外駐機場にて愛銃のAR-18を抱き、その時が来るのを待っていたシルフレッド・サンダースは多用途ヘリコプターのUH-1Hイロコイが並んで駐機する暗闇の中に黒い影が微かに走ったのを見て息を呑んだ。
見間違いだったかもしれない…。いや、見間違いと感じるくらいの動きだったからこそ、大佐に間違いない…。
久しぶりに感じる大きな恐怖への怯えで震える右手を使って、レシーバー側面のチャージングハンドルを引き、薬室に五.五六ミリNATO弾の初弾を装填したサンダースは影が走った方向に身を低くして足を踏み出した。ベトナム戦争時代から見慣れたヒューイ・イロコイの機体が互いの回転翼が接触しないギリギリの間隔で駐機する中を今までにないほど、ゆっくりと慎重にサンダースはクリアリングしていった。
不用意に前進して大佐と正面から遭遇すれば…、或いは後ろに回りこまれるようなことがあれば、自分は確実に死ぬ…!
そう確信しているからこそ、聴覚だけでなく視覚でも背後まで確認して恐る恐る捜索していたサンダースは沈黙に包まれていたヘリ発着場の空気を不意に震わせた物音に全身が飛び上がるような衝撃を感じて、身近なUH-1ヘリの陰に張り付いて隠れた。集中力を鈍らせる心臓の動悸が収まるのを待ったサンダースは自分の体が落ち着きを取り戻してきたと同時にアーマライトAR-18を構えて音がした方向の様子をUH-1の陰から気配を消して窺った。
全神経を集中させていたからこそ飛び上がるほどに驚いてしまったが、実際にサンダースが聞いた物音はとても小さなものだった。音がした方向に向けて構えた照星の先に十数メートルほど離れた位置でこちらに機体尾部を向けて駐機している別のUH-1Hイロコイのシルエットを認めたサンダースが先程の物音がコクピットの扉を閉める音だったのと察した瞬間、今度は夜の闇を割くような甲高いエンジンの起動音が彼の鼓膜を震わせた。
見つけた…!
その考えが頭に上るよりも先に身を隠していたUH-1の陰から飛び出したサンダースは目の前でエンジンの唸り声とともに、ゆっくりとメインローターを回転させ始めたヒューイ・イロコイに向かって、頭を下げてライフルを構えた体勢で一気に接近した。コクピットとは反対側の機体左側面の後方に張り付いたサンダースは兵員室のスライディング・ドア越しにコクピット座席に人影があることを確認すると、UH-1の機体に張り付いた状態のままで背を低くして副操縦士用の昇降ドアの手前に滑るように移動した。
初めて戦場に出たと同じ程に心臓の鼓動が強く速まり、喉の奥から吐瀉物と一緒に心臓までもが吐き出されそうな恐怖の感覚に正常な判断が鈍りそうになる中でもサンダースは大きな吐息を一つ吐くと同時に過去の上官の言葉を思い出して気を静めた。
恐怖から来る緊張は時に人間にとてつもない力を与える。腰抜けの男が屈強な殺人者に勝利するような事例が起きるのはこのためだ…。だがしかし、行き過ぎた緊張は人間の集中力を霧散させ、その思考範囲と視野を狭めることにもなる。戦場でそのような状態に陥ることは指揮官として最悪なことだ…。
かつて「ゴースト」に入隊したばかりの頃、上官に教わった鉄則を胸中に再度蘇らせたサンダースはその鉄則を自分に教えた上官に相対するべく、副操縦士用昇降扉のドアノブにゆっくりと左手をかけた。右手で銃把を握ったAR-18のストックを右脇と体の間に挟んで構えたまま、ゆっくりとレバー式のドアノブのロックを外し、深く深呼吸したサンダースは刹那の決意の後、昇降ドアを勢い良く開き、クリアリングの要領と同じようにしてAR-18を構えながら体を滑り込ませて射線を確保した。だが、両手で構えたアサルトライフルの照星の先にある上官の目を見た瞬間、サンダースは自分自身の決死の行動が目の前の男には全く通じないものだっということを悟った。メイナードは既に彼の気配を察知していて、手にした小型拳銃をサンダースの方に向けていたのだった…。
「やはり来たか、サンダース。」
暗視装置の目をやり過ごすため、全身に塗りたくった汚物で顔も真っ黒になったメイナードはいつもと全く同じ微笑と無感情な目を向けて部下に親しげに声をかけた。その視線に射抜かれたサンダースは構えた銃の引き金を引くことはおろか、動くことも心臓の高鳴りを感じることもできなくなっていた。驚きと恐怖で声も上手く出せず、固まることしかできない部下の姿に微笑みながらメイナードは続けた。
「お前なら、最後に私に追いつけると思っていた…。」
敵意とは違う、見つめた人間の動きを見えない"絶対的な力"で封じるメイナードの視線を見返したまま、サンダースは身動きのできない状態で呻くようにして問うた。
「大佐…、何故です…。」
視線も銃口も一ミリも動かさずに鼻を鳴らすようにして笑みを浮かべたメイナードはやはり普段と変わらない柔らかい口調で答えた。
「正義のためだよ…。資本主義でも社会主義でも無い。そして、平和主義でも反戦主義でも無い正義…。私は小さな人間だけの正義ではない、より絶対的なこの世界の正義のために自分の役割を遂行する…!」
絶対的な正義…、言葉ではそれしか語られなかった上官の信条をサンダースがその一言だけで全て理解することは不可能だったが、十年近くメイナードの近くで命をかけた任務を続けてきた彼には言葉にはできずとも、目の前の上官が成そうとしている事、目指そうとする世界の姿に心当たりはあった…。だが、そんな一人の男が考えただけの正義よりもサンダースには聞かなければならない、もっと重要な事がある。
「しかし…、その正義のためにウィリアム達は死ななければならないのでありますか…?」
その一言にもメイナードの目は動揺の影を全く見せなかった。代わりに構えていた小型拳銃の銃口を下ろし、視線を前方の強化ガラスの方に向けて深い溜め息を吐いたメイナードは再びサンダースの方を向くと、苦しそうに顔を歪めて答えた。
「彼らの犠牲は私も苦しい…。だが、私が成さなければらならない正義は数人の人の命などで代えられるものではない。」
本当の心中ではウィリアム達が犠牲になることをどう思っているのか、今まで身に着けた読心術のスキルの全てを持ってしてもサンダースには一切分からなかった。そして、メイナードが成そうとしている正義の正体も、はたまた人命よりも重い正義があるかどうなのかということも彼には全く見当がつかなかったが、その答えを聞いただけで彼の心の中で自らの取るべき行動は決まったのだった。どれほど大きな正義のためであろうとも上官が簡単に部下を見捨てるようなことがあってはならない。そして、見捨てられようとしている者達が自分の部下であるなら、それを許そうとする自分も罪だ…。
人間として軍人としてそうすべきだという決意が直感的に脳裏を走った瞬間、サンダースはAR-18の銃把を握っていた右手の人差し指を引き金にかけ、トリガーを引き切ろうとした…。しかし、この時もメイナードの方が一枚上手だった。
「残念だが、時間がない。」
その声とともにサンダースに素早く向けられたASPピストルがマズルフラッシュの閃光を上げ、サンダースがアサルトライフルの引き金を引き切るよりも先に銃声を背後に引き連れて飛翔してきた九ミリ・パラベラム弾がボディーアーマーを仕込んでいたサンダースの戦闘服の左胸に直撃し、その衝撃でサンダースは背中から地面に倒れ伏すこととなった。
意識が朦朧とした一瞬の後、我に返ったサンダースがAR-18を構え直した時には彼の上官が乗っているUH-1Hイロコイは夜の闇に包まれた空へと彼の頭上を上昇して行っているところだった。
「何としてもウィリアム達を助けろ。」
メインローターの回転音とダウンウォッシュの風音で何も聞こえないはずの耳に上官の声が聞こえてきたような気がしたサンダースは構えたアサルトライフルを下ろして遠ざかっていくヘリコプターを見送った。
大佐はウィリアム達を見捨てた訳ではない…。自分に託したのだ…。
空耳かもしれない…。だが、確かに上官のものであると感じた声に不思議な安堵を感じたサンダースは限界を越えた緊張から解き放たれて大きな息を吐いたが、次の瞬間にはヘリ駐機場に響き渡ったアサルトライフルの連続射撃音が聞いて、再び戦場の緊張へと意識を引き戻されることとなった。

「くそ!小銃弾では破れんか!」
マークしていたシルフレッド・サンダースの後を追って、ヘリコプター駐機場に辿り着いたところで一機のUH-1Hヘリが飛び立っていくのを目撃したジェイラス・ダークは無線で部下達に標的の位置を知らせると、装備していたIMI ガリル ARMを飛び立っていく兵員輸送ヘリコプターのコクピットに向かってフルオートで掃射したが、防弾機能も兼ねた強化ガラスと軽金属で構成されているヒューイ・イロコイのコクピット周囲は五.五六ミリNATO弾の三十発程度の直撃ではビクトもせず、跳弾の火花とともに虚しく銃弾が弾き返されただけだった。
「サンチェス!こっちだ!」
サイドアームのコンバットコマンダーの銃弾まで全弾撃ち尽くしたところで背後からやってきた副官に手を振って位置を知らせたダークは部下が持ってきた携対空ミサイルのハードケースを開くと、金属性の円筒のようなM171発射機を担ぎ、その先端を遠ざかっていくUH-1ヘリの方に向けた。その傍らで別のハードケースからシーカー冷却用のバッテリーを取り出した副官はダークが構える発射機の下に屈み込むと、着脱式の蓄電装置を発射機の先端下部に差し込んだ。
「バッテリー装着!後方安全クリア!」
副官の声と肩を叩かれた合図でFIM-43 レッドアイの電源をオンにしたダークは熱感知システムが起動した照準器の中に逃亡していく輸送ヘリの白い熱源の影を捉えてロックオンした。メイナードが乗ったヘリコプターはダーク達から百メートル近く離れた位置を飛行しており、既に基地の敷地外の空域に出ていた。
絶対に逃さん…。
熱線モニターに捉えた目標を睨んだダークが胸中に念じた思いは任務に対する義務感だけではなかった。アメリカ陸軍の中で最強の部隊の頂点に立つ自分こそが最高の兵士であると自負していた彼はしかし、圧倒的優位な背後からの奇襲を簡単に見破られ、加えて嘲笑うのような余裕を見せたメイナードの存在にプライドを壊されかけていた。自分よりも圧倒的に格上の兵士の存在を知り嫉妬すると同時に殺意となった対抗心が何としても標的を仕留めるという執念を生み出し、何時にもない思念の強さをダークに与えていたのだった。
その執念もあってか、照準器が捉えたターゲットの情報を発射機内部のミサイル・シーカーが認識したことを知らせるブザーが鼓膜を震わせたと同時にダークはレッドアイのトリガーを引き切った。軽金属製の発射機から肩に伝わってきた振動と同時に細い発射筒の後端から後方噴射の白煙が凄まじい勢いで吹き出し、次の瞬間にはミサイル防護用の保護ガラスを突き破って飛び出したレッドアイの本体が発射機から離れて飛翔していった。ミサイル先端に取り付けられた硫化鉛焦電素子の熱型赤外線センサーで目標の熱源を感知するFIM-43 レッドアイのミサイル本体は発射機から数十メートル飛び出した所で、本体尾部に収納された四枚のテイル・フィンとミサイル前部収納の二つの制御翼を勢い良く展開させると、更にその直後に尾部の主モーターを点火して、機体後方のエンジン排気口から熱源を発しながら逃走していくUH-1Hイロコイの機影に一瞬の内に肉薄して行った。
ミサイルの発射機を捨て、赤外線暗視ゴーグルを装着したダークの視線の先でミサイルの追跡を探知したヒューイ・イロコイが機体後部のテイルブーム側面に取り付けられたディスペンサーから熱源撹乱用のチャフ・フレアを散布して、暗視装置の緑がかった視界の中央に熱源の拡散を示す数多の閃光がイロコイの尾部から飛び散るのをダークは目にした。
落とせる…!
フレアの撹乱に騙されることなく、目標に向かって直進していったレッドアイの小さな影を赤外線暗視ゴーグルの視界の中に見て、ダークが胸を高揚させる中、フレアの撹乱を突破されたUH-1Hは機体を右に傾けて急旋回する形でミサイルを回避しようとしたが、無慈悲にも熱源妨害の罠を突破して既に三十メートル近い距離に接近していた携対空ミサイルは最後の抵抗を見せようとする獲物に圧倒的な速力差で接近すると、熱源を発するヒューイ・イロコイの後部排気口に突っ込んで行くと、敵機に直撃した勢いで信管が作動させて先端のM222爆風破片効果弾頭を炸裂させた。
ダークの暗視ゴーグルの視界の中にもフレアの散布とは比べものにならないほど強い閃光が走り、彼がホワイトアウトした暗視装置を外して、目視で撃墜を確かめようとした瞬間、直撃に遅れて届いた爆発の破裂音が彼の鼓膜を震わせた。
「やった…。」
排気口からヘリコプターの急所、メインローターの付け根下部に突き刺さったFIM-43 レッドアイの爆発を内部から受けたUH-1Hイロコイは機体の原型を留めないほど粉々に四散し、ミサイルの直撃地点に咲いた爆発の炎が標的の抹殺をダークに実感させた。
奴を殺った…。俺の方が強い、俺がアメリカ最強の兵士だ…!
内心で湧き上がる喜びと安堵を表情にして浮かべたダークの横顔を見た副官は上官の真意を理解することなく、その笑みが任務を完遂した達成感の表れだと思った。
「ぼんやりするな!死体を確認するぞ!」
ようやく緊迫から解き放たれたのに、タイ空軍とCIAに任せてしまえば良いような面倒な雑用を自ら進んで済ませようと走り出した部隊長の背中を追って、「デルタ」の隊員達が基地の出口へと向かって走って行く中、彼らから数メートル離れた位置では一連の顛末を見届けていたサンダースが上官の撃墜された夜空を見て立ち竦む姿があった。
大佐…、まさか…。
つい先程は自分自身でその上官を殺そうと引き金を引きかけた右手を震わせ、胸中に問うたサンダースだったが、彼の問いに答えてくれるものはなく、ヒューイ・イロコイの爆散で一瞬の間だけ明るく染まった夜空も今は暗い闇に包まれて沈黙しているだけなのだった。
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登場人物紹介

*ウィリアム・ロバート・カークス


本作の主人公。階級は大尉。米陸軍特殊戦用特殊部隊「ゴースト」のブラボー分隊を率いる。

八年前、ベトナム戦争従軍中、ベトナム共和国ダクラク省のチューチリンで起きた"事件"がトラウマとなり、現在でも戦闘中に襲ってくるフラッシュバックに悩まされている。


ゲネルバでの大使館占拠事件の際には、MC-51SD消音カービンを使用し、サブアームにサプレッサーを装着したH&K P9Sを使用する。


#特徴

黒人

身長は一八〇センチ台前半。

髪の毛はチリ毛だが、短く刈っている上に何らかの帽子などを被っていることが多いため、人前に見せることは少ない。

#イーノック・アルバーン


第七五レンジャー連隊・斥候狙撃班に所属する若きアメリカ兵。階級は登場時は上等兵、「ゴースト」の作戦に参加したことで伍長へと昇進した。


彼の兄で、ベトナム時代のウィリアムの戦友だった故ヴェスパ・アルバーンの代わりに、「ゴースト」へと招集される。


実戦を経験したことはないが、狙撃の技術に関しては、兄譲りの才能を見せる。


#特徴

白人

身長一八〇センチ前半台

短い茶髪 

*クレイグ・マッケンジー

元Navy SEALsの隊員でアールと同じ部隊に所属していたが、参加したカンボジアでのある作戦が原因で精神を病み、カナダに逃亡する。その後、孤児だったレジーナを迎え入れ、イエローナイフの山奥深くで二人で暮らしていたが、ウィリアム達の説得、そして自身の恐怖を克服したいという願いとレジーナの将来のために、「ゴースト」に参加し、再び兵士となる道を選ぶ……。


*特徴

年齢29歳

くせ毛、褐色の肌

出生の記録は不明だが、アメリカ先住民の血を強く引く。

*アール・ハンフリーズ


序章から登場。階級は少尉。「ゴースト」ブラボー分隊の副官として、指揮官のウィリアムを支える。 

その多くが、戸籍上は何らかの理由で死亡・行方不明扱いになり、偽物の戸籍と名前を与えられて生活している「ゴースト」の退院達の中では珍しく、彼の名前は本名であり、戸籍も本来の彼のものである。


ゲネルバ大使館占拠事件では、ウィリアムと同じくMC-51SD消音カービンをメイン装備として使用する他、H&K HK69グレネードランチャーも使用する。


#特徴

白人

身長一九〇センチ

金髪の短髪

*イアン・バトラー


「ゴースト」ブラボー分隊の隊員の一人で階級は先任曹長。戦闘技能では狙撃に優れ、しばしば部隊を支援するスナイパーとしての役割を与えられる。

年齢は四十代後半であり、「ゴースト」の隊員達の中では最年長で、長い間、軍務についていたことは確かだが、正確な軍歴は分隊長のウィリアムでも知らない。


ゲネルバ大使館占拠事件では、降下してくる本隊を支援するため、サプレッサーを装着したレミントンM40A1を使用して、敷地内のゲネルバ革命軍兵士を狙撃する。


#特徴

白人

やや白髪かかり始めた髪の毛

*ジョシュア・ティーガーデン 


「ゴースト」ブラボー分隊の通信手を務める一等軍曹。巻き毛がかった金髪が特徴。周囲の空気を敏感に感じとり、部隊の規律を乱さないようにしている。


各種通信機器の扱いに長け、リーと同様に通信機器に関してはソビエト製のものや旧ドイツ、日本製のものでも扱える。


#特徴

白人

身長一八〇センチ台前半

金髪

*トム・リー・ミンク


「ゴースト」ブラボー分隊の隊員の一人で、階級は一等軍曹。身長一七〇センチと「ゴースト」の中では小柄な体格だが、各種戦闘能力は高く、特に近距離でのナイフ戦闘技能と爆発物の扱いには優れている。特にミサイル、ロケット系の兵器に関しては、特殊訓練の結果、ソビエト製兵器でも使用できる。


気の強い性格から、他の隊員と口論になることもあるが、基本的には仲間思いで優しい性格である。

だが、敵となったものに対しては容赦のない暴力性を発揮する。


同部隊のアーヴィング一等軍曹とはベトナム戦争時から同じ部隊に所属しており、二人の間には特別な絆がある。


#特徴

アジア系アメリカ人

身長一七〇センチ

*アーヴィング・S・アトキンソン 


「ゴースト」ブラボー分隊の隊員の一人で機銃手を務める大柄な黒人兵士。 階級は一等軍曹。


その大柄な体格とは逆に性格は心優しく、穏やかであり、部隊の中でいざこざが起こったときの仲裁も彼がすることが多い。


トム・リー・ミンクとはベトナム戦争時代からの戦友。


#特徴

黒人

身長一九五センチ

*ハワード・レイエス


「ゴースト」ブラボー分隊の隊員で、前衛を務める。階級は曹長。

父親は不明、母親はメキシコからの不法移民でヒスパニック系の血を引く。7歳の時、母親が国境の向こう側へ送還されてからは、移民が集合するスラム街で生活。学校にも通っていなかったが、自発的に本から学んだことで、米国の一般レベルを上回る知能、知識を持ち、スペイン語をはじめとする語学に堪能。


ゲネルバでの作戦時には、部隊の先頭を切って勇敢に突撃したが、後にウィリアムの身代わりとなって死亡する。

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