5 いざ、新しき思い出の店

文字数 416文字

 二人は、おしゃべりをしながらダラダラ歩いていると、いつのまにか目的の店にたどり着いた。
あー……そっくりだぁ……
外観からすでに似てるのか。やはりお父さんの店への思い入れが強いんだな
えっと……大きさはこっちの方が小さいんだけど、でも……同じだってわかる
文字通り、同じ遺伝子を受け継いでるってカンジか
そう、そうそう! そういうやつ! やっぱ大人はちがうなー
うん、そう、だね
 多島くんの顔が一瞬曇ったが、由希乃は気付かず、店先のメニュー看板を物色していた。
『カランコロン』
 多島くんが店のドアを開けると、上端に取り付けられたカウベルが鳴った。
 促されて店内に入った由希乃が、わぁ、と声を上げた。
すごい……。なにもかも同じ、でもぎゅっと濃くなったカンジ……
ホント? それはよかった
いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ
 多島くんより少し年上と思しき男性が、二人に声をかけた。
 細身のフレームのメガネをかけ、知的で落ち着いているように見える。
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登場人物紹介

橘 由希乃(女子高生) 
商店街の本屋でバイトしている。内気だがすぐテンパり、暴走しやすい性格。
そのため、人見知りなのか強引なのか分からないと評される。

本屋の向かいでバイトしている多島くんと付き合っている。勉強よりも交換日記を書くのに忙しい。

多島 勝也
本屋の向かいにある弁当屋でバイトしている若者。現在、資格試験の勉強中。
自分に自信がなく、つい素っ気ない態度を取って誤解されがち。

本屋でバイトしているJK、由希乃と付き合っており、彼女との年の差をとてもとても気にしている。その差十歳だが、見た目より若いと言われる。

花屋の奥さん

とある町で出会う。ご主人と二人で花屋を経営している。

花屋のご主人

夫婦で花屋を経営する男性。わりと尻に敷かれるタイプ。

喫茶店のマスター

由希乃と多島くんの行く先で待ち受けている。

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