104話 賀茂の祭

文字数 268文字

特別の事情もなく、出家して、尼となった方がいらした。
 
姿は変わったが、物見をしたい気持ちがあったのか、
賀茂の祭を見に、おいでになった。
 
男が、歌を詠んで贈った。
 
 世をうとみ 尼となった方と お見受けします
 私には 目で合図を とお願いしたいのですが 
 
祭を見に来た、斎宮の牛車に、こう申し上げたが。
 
牛車は、見物の途中で、お帰りになったという。
 
   *
 
 世をうみの あまとし 人を見るからに
 めくはせよとも 頼まるるかな
(歌全体に、「海の海人(あま)が、海松藻(みるめ)食わす」を懸ける)
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