第4話

文字数 584文字

 家に帰ってきた太一に一言
「男バスのマネすることになった」
 太一は少し目を丸くしてから
「いつから?」
「明日の放課後から」
「そっか」
 太一はそっと微笑んで部屋に戻って行った。

 次の日の放課後。
戸部さんにマネの仕事を教えてもらいながらスポドリを作っていた。
簡単そうに見えて意外と難しいし、力がいる。
 スポドリを作り終わって選手の元へ持ってくと丁度ゲーム試合が終わったみたいで皆が集まってきた。
一人一人に配っていく。
そして最後は太一……なんて少女漫画みたいなことはなく、太一のスポドリは戸部さんが渡していた。
 休憩が終わり、二回目のゲーム試合が始まった。
 バスケなんて中学の頃に授業でやっただけだからあまり詳しい訳じゃないけど、何というか凄かった。
皆素早く動いて、ボールが大きな音を立てて弾む。
只々呆気に取られていた。
 残り十秒になった時、ボールを持っていたのは太一だった。
そして太一がシュートを決める時
「頑張れ太一!」
 声が出ていた。
そしてその声でズレてしまったのか、太一の投げたボールはゴールに届かなかった。
 試合が終わり、太一は私の所へ真っ直ぐ戻ってきた。
「……あの、ごめん」
 すると太一は微笑んで
「応援サンキュ」
その日から太一との会話が少し増えた。
ほとんどバスケのことだったけど嬉しかった。
両親も安心してた。
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