6.5・愛しい恋人(2)

文字数 1,174文字

 悠の言葉に一喜一憂する蓮。
「そんな顔しないの」
 悠は涙目の彼にちゅっと口づけた。
「俺のこと、好き?」
「うん。大好き」
 ニコッと笑って見せるが、蓮はまだ不安そうにこちらを見つめている。
「どうしてダメなの?」
 悠はちゃんと理由を聞いてみようと思った。
「出会い多いでしょ? スポーツジムって」
 ”いい身体してる人いっぱいいるよ?”と続けて。

 つまり蓮は悠に新しい出会いがあることが嫌なのだ。
 そう理解した悠は自分に覆いかぶさる彼の肩に顔を埋めると、
「わたしは別にいい身体が好きとかじゃなくて……蓮の身体が好きなの」
 言ってしまってから恥ずかしくなる。
 それではまるで……。
「えっと……?」
 案の定、困った様子の彼。
「あ、うん。そういう意味でも好きよ?」
 何故か追い打ちをかける結果になってしまった。
 蓮は言葉に困っているようだ。悠を抱きしめる腕に力を込めると声にならない声を出し、悶絶している。

 可愛いなと思った。
 そんな彼の様子は、悠が全てだと言われているようで嬉しくもある。
 悠は蓮の背中にツツツと手を滑らせた。直に触れた肌から伝わる体温。背中から首筋に手を滑らせ、顔を上げた彼の頬に手をあてる。
「興奮してるの?」
 先ほどから悠の太ももに何か硬いものがあたっていた。
「そりゃ……まあ……」
 顔に出ないからこそ、彼が自分に欲情してくれているのかは気になるところ。
「悠は?」
と問われ、
「確認してみたら?」
と挑発する。

 蓮はゆっくりと一つ瞬きをすると、悠の唇を塞ぎ手を太ももへ滑らせていく。ゆっくりと移動する体温。
 悠は瞳を閉じると彼の手へ意識を集中させた。
 やがて唇は首筋を辿り、再び鎖骨へ。
「痕つけちゃダメ?」
と蓮。
「見えるところはダメ。冷やかされるし」
 ”蓮にはつけたいけれど”と続ければ、首を傾げ”いいよ”と言われる。
 なんとも無防備だ。
「あッ……」
 だが足の間から下着の隙間に指を滑らされ、余裕はなくなる。
「蓮ッ……」
 彼の首を引き寄せ、その首筋を強く吸う。
 蓮の指は一旦悠の秘部から離れ、下着にひっかけられた。

「はあッ……」
 少し触られただけなのに、今日はなんだかいつもよりも感じてしまっている。スルリと下着を引き抜かれ、悠は再び彼の首に腕を絡めた。
「俺のためなの?」
 悠の秘部に中指を滑らせながら問う、蓮。
 つるりとしたソコは、確かに彼の好み。
「蓮の為……と言うよりも、蓮の好みに合わせたかったの。愛されたいから」

 恋は人を馬鹿にするものだ。
 時として大胆な行動へ移すほどに。

「蓮が好きだから」
 体温が上がっていくのを感じながらそう告げれば、
「好きだよ、悠」
と耳元で彼の声。
 その指は悠の愛液で濡れ優しく、小さな豆を転がしている。
「んんッ……」
「いっぱいしてあげるよ、悠」
「あ……ッ」
 悠は蓮のくれる愛撫に次第に夢中になっていったのだった。
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