恵人の編4

文字数 305文字

「こいつが、僕の代わりに、大学に行くんですよね。ああ、もう僕の成績は、完全にがた落ち、メチャクチャだ。大学一の落ちこぼれになってしまう」
 隼人が顔を曇らせて頭を抱えた。
「俺とおまえが、こいつの側にずっといるだろうが。ひょっとして学年トップの成績になるかもしれんぞ」
 沢口が意味ありげな眼を浮かべて、口笛を吹きそうな声を出した。
「えっ? それ、どういうことです? あ、そうか。周りのテスト用紙を自由に覗いて、こいつに知らせることができる。そしたら、テストの成績は満点、やばいほどいい成績が取れる、そういうことですね」
 落ち込んでいた隼人の曇り空の顔が、一気に明るくなった。
「まあ、そういうことだ」

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み