第68話 次世代くねくね1

文字数 435文字

 怪談好きなら「くねくね」って知ってるよな?
 怖い話を読んだり聞いたりするのは好きだけど、ぶっちゃけ怪奇現象については否定的だったんだ。
 でも、強制的に考えを改めさせられることになる。
 年末年始に田舎の実家へ帰ったとき、遭遇しちまったんだ。
 段々畑で狂おしくうごめく、白い何かに。

 知らない人のために一応説明しておくと、「くねくね」は屋外で目撃される怪異だ。
 畑や田んぼみたいに、広々として何もないところで発生しやすい。
 ふと気づくと、遠くの田畑に白くうごめくものが見える。
 でも、目を凝らしても遠すぎてよくわからない。
 そこで少しずつ近づいてみる。
 正体は、メチャクチャな勢いで手足をばたつかせている白い人間……と言われている。
 あくまで伝聞だ。
 なにせ、正体を見極めた者はいまだかつて1人もいない。
 なぜかというと、正体をわかってしまうとその瞬間、もれなく気が狂うから。
 だから、田畑で尋常じゃない勢いで動く白い物を見ても、絶対に近づいて確かめようとしてはならない。
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