Jimmy Side
文字数 607文字
ティムの突然の死をきっかけに、ベースのジミー・オドネルの心はボロボロになりました。生きる目的を失い、ティムのもとに行きたくなった彼は…。
俺はおまえに会いに行くよ！
と叫び、建物の３階から飛び降りましたが、すぐに救急搬送されたために一命をとりとめました。
…しかし、彼の左半身は思うように動かせなくなってしまいました。
（この体じゃ、もうベース弾くことも、バイク乗ることも、写真撮ることもできない…。自分の人生、ガチでThe Endだ…）
ジミーのお見舞いによく来たのは、彼の父母と妹のクロエでした。彼は、家族のほかに見舞客がほとんど来ないことを寂しく感じていました。
ところが、２０１７年４月のある日のことです。何とフィル・イェーツ本人がジミーのお見舞いに来てくれました。
フィル、来てくれてありがとう
僕、今年７月に、ジョアキムさんのレーベルからメジャーデビューするんだ
へえ、そりゃすごいじゃん。良かったね、フィル
ヒューゴと、ジミーをサポートミュージシャンに迎えてね
ジミーは、ベッドから落ちそうになるほど驚きました。
…！！？俺、こんな体だよ？もうベース弾くどころか、左手で物もまともに持てないんだぜ？
それじゃあ僕、リハビリに付き合うよ。ヒューゴも一緒にね
…おまえ、優しい。本当に、優しい……
ジミーは、右手を差し出しました。
おまえがデビューするまでに、俺は必ずこの体を治すよ
うんっ！僕もヒューゴも精いっぱい、君の力になるよ！
