15日 心が壊れそうなときは

文字数 879文字

 前にね、とても好きな人がいたの。
 いまさらどうこうとは思わないけれど、時々思い出してしまうんだよね。
 日々の断片を。

 一緒にTwitterをやりたいと言ったことがあって、その時は『無理』って言われたの。
 俺は別に、ツイートでおしゃべりがしたかったわけじゃなくて、そこに存在してくれていることに意味を感じていた。
 自分は食い下がらない性格なので、無理と言われたらすぐ諦めるの。
 それで自分の中では終わっていた。

 求めたモノをすぐに得られないと『いらない』と感じてしまう性格なので、その後アカウントを作ってくれたのだけれど、俺は喜べなかった。

 子供がわがままになっていくのは、欲しい時に愛情を得られないからなんだって。
 
 こういう経験は何度もあって、その前につきあっていた恋人は非常に淡泊な人だった。
 俺はね、それでも耐えたの。
 付き合っているうちに、気づいてくれるかもしれないと思って我慢した。
 心が凍り付くまで。
 
 淡泊な人は無理だなって思う。
 好きかどうか信じられなくなるから。
 欲しい時に欲しかったモノを貰えなかった自分は、その後その恋人を拒否し続けた。
 俺の中で終わって、そのことを告げた後に頑張っても、もう遅いんだよ。

 人ってどこですれ違うのかわからない。
 同じ日常が明日も続くとは限らないんだ。

 言えない言葉をたくさん飲みこんで、伝わらないと思いながらも想いを伝えても、何も伝わってなかった。
 それが現実。
 ふとした瞬間に思い出してしまう、その日常の欠片。
 ガラスの破片みたいに痛い。
 
 もう一年以上も前の話しだけれど、まるで昨日のことのように思い出すから、その度に泣いてしまうけれど。自分はただ、その人の為に時間を作ってあげたかった。
 少しでも一緒にいられる時間が欲しかった。
 一番多忙な時期で、乗り越えなきゃいけないことがたくさんあったの。

 好きになんてならなければ、こんなにいつまでも苦しまなくて済んだのにって思う。
 だから好きになったことを後悔しかしていない。
 それでも、とても好きだったの。

 いつか忘れられたらいいなと思う。
 何もかも。
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