恵人の編4
文字数 458文字
代わりに、本物かどうかを確かめようと、あの少女の前に近寄ろうとした。
と、その時だった。仙人がその心を下心でも見透かしたのだろうか、彼女たちから側から引き離すかのように速足でどんどん歩いていくので、仕方なく後をついて行った。
現世と違って、時間はたっぷりとあるんだから、少しは見学ぐらいさせてくれてもいいだろが、と強い不満と落胆の声を胸の内にたらたらと落として、未練たっぷりの心の眼を美少女たちの前にどんと置いたまま、前に進むのを嫌々する足を動かした。
その嫌がる足を引きずって、後ろ髪を惹かれる思いを胸に抱いたまま、仙人に続いて漆と金色で彩られた間口に入ると、そこでまた思わず声を漏らしそうになった。
瞳には、ここに至るまで眼にしてきた絢爛豪華な装飾の数々、いや中には、心の眼を虜にした妖しげなものまであったが。
煌びやかな装飾から一転して、いかにも仙人が住みそうな山奥にある洞窟でもなく、鍾乳洞の広間を連想させる摩訶不思議な空間が、 天井の中央から差し込む白銀色系の淡い光に照らされて広がっていた。
と、その時だった。仙人がその心を下心でも見透かしたのだろうか、彼女たちから側から引き離すかのように速足でどんどん歩いていくので、仕方なく後をついて行った。
現世と違って、時間はたっぷりとあるんだから、少しは見学ぐらいさせてくれてもいいだろが、と強い不満と落胆の声を胸の内にたらたらと落として、未練たっぷりの心の眼を美少女たちの前にどんと置いたまま、前に進むのを嫌々する足を動かした。
その嫌がる足を引きずって、後ろ髪を惹かれる思いを胸に抱いたまま、仙人に続いて漆と金色で彩られた間口に入ると、そこでまた思わず声を漏らしそうになった。
瞳には、ここに至るまで眼にしてきた絢爛豪華な装飾の数々、いや中には、心の眼を虜にした妖しげなものまであったが。
煌びやかな装飾から一転して、いかにも仙人が住みそうな山奥にある洞窟でもなく、鍾乳洞の広間を連想させる摩訶不思議な空間が、 天井の中央から差し込む白銀色系の淡い光に照らされて広がっていた。