1 あってはならない『戦争の効用』

文字数 835文字

 劇場版アニメ『虐殺器官』を観ました。

 犯人の最期や主人公のけじめ、公的機関の関与など、補足資料がないと分かり難いところもありましたが、作品が何よりも言いたかった主題は、『 戦争で(テロも含む)戦争を抑える 』ことの可否だと思います。

 ネタバレ注意……といっても(すで)に予告編で、それと分かる科白(せりふ)が語られています。すなわち、犯人は母国へのテロの波及を防ぐため、テロリストが生まれる国での紛争(虐殺)を誘発するのです。

 TVアニメ『ヨルムンガンド』に出てくる航空航法妨害システムのように架空だが、大衆操作のようにソフトな分だけ、現実味のある手段が怖い。国家間や民族・階層間の紛争問題にこのような対処をするようなことになってはいけない、と我々に語っているように感じました。

 文明には、ダビデの星あるいは籠目(かごめ)の図形(✡)で表わせるような、6つの要因があると思います。

 社会的な認識、決定、行動すなわち科学・技術、制度・政策、経済・社会活動という3つの文明活動と、それらの基礎あるいは必要条件となる物的資源、人的資源、自然・社会環境という3つの環境条件です。



 そして、偽書『アイアンマウンテン報告』に書かれたように、あってはならない〝戦争の効用〟というのも、事実上は存在してしまっていたのかもしれません。
① 科学・技術の発達。 
② 新しい制度・政策の導入。 
③ 経済・社会活動における活性化や格差縮小、統合や安定化。
④ 老朽市街地など物的資源の更新。 
⑤ 私のような虚弱者など人的資源の淘汰。 
⑥ 自然・社会環境の再認識や改善、適応。

 戦争は、6つの文明要因のいずれについても、良い影響を与えてしまうことがあるのです。 

 悪意だったら非難もできますが、困窮さらには善意から犠牲が容認・要求されるのは、もっと悲しく恐ろしい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み