第2話 臓器密売組織がからんでいるのでは?
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クスリの基礎研究には、マウス、ラットなどの実験動物が使われます。しかし、それらの動物において成り立つことが必ず人間でも成り立つという保証はありません。なぜなら、そこには「種」の壁があるからです。
近年、バイオテクノロジーによってヒトの細胞をもつ実験動物(キメラ)を産み出すことが可能となりました(参照1)。
それでも、本物のヒト臓器を基礎研究で使うことで研究の成功率が高めたいという希望は創薬に携わる企業や研究機関の間で根強く、臓器移植向けに提供されたヒト臓器を、極めて厳重な条件を満たした場合に限り研究に供する道が、極めて限定的に開かれています。(参照2)。
参照1:『ナショナル・ジオグラフィック』「ヒトの細胞もつブタ胎児の作成に成功」2017.1.31
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/013000032/?P=1
参照2:日本組織移植学会『ヒト組織を利用する医療行為の倫理的問題に関するガイドライン』H30.8.21 改訂
(P8 Ⅶ研究機関および企業等における研究・教育・研修への利用及びその他の利用について)
http://www.jstt.org/htm/guideline/rinri_guideline_Ver3-3.pdf