act1 美女の誘拐

文字数 475文字

 「今日もいい天気ね。こんな日はどこかに行きたいわ」
 「それはなりません。クリス様。どこかであなたの命を狙っている輩がいるかも知れないんですぞ」
 「分かっているわ、爺。でも、ずっとここにいては滅入ってしまうわ」


 「おい、準備はいいか?」
 「何者だ、お前ら。ぐはっ」
 兵士が一人やられた。
 「ここから先は通さん。がはっ」
 兵士がまた一人やられた。


 「何事だ?」
 「変な奴がクリス様の命を狙って。お逃げ下さい。お二人とも。ぐはっ」
 最後の兵士も襲われて息絶えた。
 「そんなっ」
 クリスは目の前の光景に絶望した。
 城の中でも精鋭な部隊が全滅したのだ。
 「クリス様は私が守る」
 「爺、やめなさい。あなたまでいなくなったら」
 「老い先短いこの命、失っても悔いはありません。クリス様のためならなおのこと」
 「やれ!」
 ズバーン!
 「ガハァッ。クリス様。どうか、ご無事で」
 爺は死んでしまった。


 「連れていけ」
 「はっ」
 「何をするの? 離しなさい!」
 「うるさい!」
 「うっ」
 クリスは気絶した。
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