25 ふつうのシャベル
文字数 1,691文字
ボクはおじいちゃんの家に帰って、おばあちゃんのお昼ごはんを食べ、居間でゴロゴロしておやつを食べて戻ってきた。我が一族の秘密の地下宮殿へ。
ハルちゃんとコンちゃんがボクの肩に乗る。
ちょっと怒ったようにおじちゃんは言う。
おじちゃんは、自分でわかっていないようだった。
ボクは指を折って数える。
呆れて物も言えないね。
言うけど。
それは否めなかった。
おじちゃんはボクにシャベルをくれた。
ボクの手の上でシャベルがキランと輝いた。
壊れたていたのがウソみたいに直っていた。
ボクはシャベルを握って腕を動かす。
シャベルからオリちゃんの声がした。
肯定するようにオリちゃんが答える。
ハルちゃんとコンちゃんは、淋しそう……
ゆるキャラって言って、出すのはアリかな?
やっぱ、無理か……
緑色の岩のようなハルちゃんとコンちゃんを見て思った。
ハルちゃんとコンちゃんが、嬉しそうにキラキラと輝く。
ボクはうなずいた。
ケンちゃんを千里眼でみるの、けっこう楽しかった。
ボクはそれに答えなかった。
おじちゃんが鼻で笑った。
ハルちゃんとコンちゃんが嬉しそうに跳ねた。
おじちゃんが苦笑いした。
ボクが部屋を出ようとすると、
と、呼び止められた。
立ち止って、おじちゃんを見た。
改めて言われると、恥ずかしい。
おじちゃんの眉がピクっとする。
オリちゃんが嬉しそうに返事をしたから、ボクはボクのシャベルをなでた。
ボクはシャベルを両手で抱えた。
腕の中で、ボクを元気付けようと、シャベルが温かくなった。
嬉しそうに、オリちゃんは返事をした。
おじちゃんが、ボクの頭をぐりぐり撫でた。
おじちゃんはニヤっとした。
おじちゃんは、変なコトにこだわる。