rain sound-1

文字数 263文字

 誰もが小説になり得る人生を送っている。小説にならない人生を生きている者などはいない。
 そう言って古文の芦田は出ていった。
 この物語の語り手は龍蔵寺朱夏。
 語るような内容があるとは思えない平凡な一人の女子高校生だ。
 けれども本当にすべての人が小説になり得る人生を生きていると言うのならば、高校最後の文化祭の前後、あのたわいのない時間をどうか聞いて欲しい。特に何も起こらないことが当たり前で幸せで、そして不思議だった、あのかけがえの無い時間を。高校3年生の文化祭を控えた6月23日の夕方からこの物語を語り始めたいと思う。
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登場人物紹介

龍蔵寺 朱夏(りゅうぞうじ しゅか)

図書委員会所属の高校3年生

愛称は【あか】


誕生日は11月18日


松下  碧子(まつした  みどりこ)

文化祭実行委員会所属の高校3年生

朱夏のクラスメート

色々と動じない性格

愛称は【みどり】


誕生日は2月27日

咲(さき)

朱夏のクラスメートで、高校3年生

好きな食べ物はノドグロ

スカートは膝丈!


誕生日は5月8日

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