rain sound-1
文字数 263文字
誰もが小説になり得る人生を送っている。小説にならない人生を生きている者などはいない。
そう言って古文の芦田は出ていった。
この物語の語り手は龍蔵寺朱夏。
語るような内容があるとは思えない平凡な一人の女子高校生だ。
けれども本当にすべての人が小説になり得る人生を生きていると言うのならば、高校最後の文化祭の前後、あのたわいのない時間をどうか聞いて欲しい。特に何も起こらないことが当たり前で幸せで、そして不思議だった、あのかけがえの無い時間を。高校3年生の文化祭を控えた6月23日の夕方からこの物語を語り始めたいと思う。
そう言って古文の芦田は出ていった。
この物語の語り手は龍蔵寺朱夏。
語るような内容があるとは思えない平凡な一人の女子高校生だ。
けれども本当にすべての人が小説になり得る人生を生きていると言うのならば、高校最後の文化祭の前後、あのたわいのない時間をどうか聞いて欲しい。特に何も起こらないことが当たり前で幸せで、そして不思議だった、あのかけがえの無い時間を。高校3年生の文化祭を控えた6月23日の夕方からこの物語を語り始めたいと思う。