第38話 驚愕にも自然に整う状況 ~ジークンドー:イップマン~

文字数 1,676文字

不思議なことに「やりたいことをする為の状況」が自然と整ってしまうことがある。
どういうわけか「やってみようかな」と考えていると、「やってごらん」と言わんばかりの出来事が起きるのである。
しかも驚くべき見事なタイミングで……
あの時も、まさにそうだった。

私はカンフー映画がこよなく好きである。
とくにブルース・リー作品は傑作である。

ブルース・リーは独自の格闘術「ジークンドー」を生み出した。
そんなブルース・リーにも師匠なる人物が存在する。
それが……

――イップマン師匠

以前、たまたま、この『イップマン』の映画作品があることを知った。
気になりレンタル店へ行ってみた。
すると、『イップマン1』『イップマン2』と二作品あった。
別々の日に、両方とも観てみた。

イップマンのカンフーもさることながら、その人徳も魅力的。
じつに期待以上の素晴らしいカンフー映画だった。

その数年後。
どうやら『イップマン』シリーズ三作目のDVDが出たらしい。
これは、観るしかない!いやいや、絶対に観るべきである!

ところが、ところがである。
ここ最近、仕事が立て込んでいて、レンタルとはいえ映画どころではない。

「うぬぬ、気になる……」

そんなわけで、レンタル店で『イップマン3』を借りた。

――結局、観るんかい!

自分にツッコミを入れておいた。

映画を気にしながら仕事をするより、サッと観て感動してから仕事をした方が効率的。
そういう考え方もあるだろう。

さて、この『イップマン3』はと言うと……

――これまた素晴らしい!

またもや期待以上の作品であった!
カンフーはもちろんのこと、夫婦愛まで描かれた感動の作品だった。

全世界の映画ファンを魅了させ大満足させるであろう素晴らしい作品。
当の私も大満足であった。

「いやぁ、忙しい中、観て良かった!」

ところが……

こうなると、もう一度『イップマン』「1」と「2」が観たくなってくる。
なぜなら「1」と「2」を観たのが、かなり以前のことだったからである。

もう一度、見返すことで、『イップマン3』への感動も深まることだろう。

素晴らしい『イップマン3』を観た直後に、「1」「2」を観返したくなるのは自明の理。

よし「1」「2」をもう一度、観返そうぞ!

といきたいところだが……

「いやいやいや、絶対無理!観るのは辞めておこう」

ただでさえ仕事が立て込んでおり、時間がない。
映画を2本も観るには、かなりの時間を要する。

しかも、つい今しがた『イップマン3』を観たばかりではないか。
忙しい中、映画ばかり観ているのは、さすがに、はばかられる。

「うぬぬ、観たいけど……」

そんなことを考えているところに、驚くべき出来事が起きた。

数日後、書店での会計時のこと。
店員氏に声を掛けられた。

「クーポン当たりましたよ!」

――え?

店員氏が手渡してくれた券に目をやると……
それは……なんと!

――『DVDレンタル旧作2枚無料券』

DVDレンタルの無料券が当たったのである!

これには、思わず吹き出しそうになった。
いや、実際、ぷっと吹き出してしまった。



私が『イップマン』「1」と「2」を観たがっていた時に、コレである。
まさに、見事なタイミングである!

まるで「どうぞ、観てください」言われているかのような出来事。

しかも、気が利いていることに、「1」と「2」両方観られるように……

――『2枚無料券』とは!

す、す、凄すぎる……
まるでマンガのようである。

「うむむ、こんなことが起きるとは!」

このタイミングでこのような出来事が起きたことに心底驚いた。
これではまるで『イップマン』「1」と「2」を観てごらん、と言わんばかりである。

こうして、私はなんとも「TSUTAYAの無料券」に背中を押され、『イップマン』「1」と「2」を観返すことができたのであった。

『イップマン1~3』までのイップマン夫妻の絆のストーリーも繋がり感動が増した。
やはり観返して良かった。

この見事なタイミングで起きた偶然の出来事と「TSUTAYAの無料券」のおかげである。

それにしても……

――このタイミングで2枚無料券が当たるとは……

まさに「事実は小説よりも奇なり」である。


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