物語の登場人物

文字数 1,019文字

 俺は会社へ戻ると、今まで集めた情報をもとにAIのプロジェクトファイル「ONISHI」に覚え込ませた。また、自分の文章のクセや言葉の流れなども何通りか入力。プログラムは人気作家の例文も最初から選ぶことができたため、理想と思われる文章作成が可能となり、以前よりかはマシな物語が出力されるようになった。

(さて、ここからが勝負だな……)

 まずは物語の登場人物を決める必要があるが、プログラムのテストとして宿泊客の実名を用いることにした。後で変えることも可能なので、この点は問題ないだろう。もちろん、製品化する時は架空の人物の名前を入れるつもりである。

【ONISHIシナリオテキストの登場人物】

・役割が『かまいたちの夜』の主人公に近い人物

●田上洋平(21歳)
大学3年生。篠山美香と高校時代から付き合っている。
●篠山美香(21歳)
3年前より銀行に勤めている。田上とは恋人同士。

・田上の知り合い

●伊佐山雄一郎(21歳)
美術大学3年生。田上とは幼稚園からの友人。
●太田友理奈(19歳)
デザイナーの専門学校に通う。伊佐山とは2年前から付き合っている。

・山荘『ラヴェンデル』の経営者

●小野塚敬之(45歳)
ラヴェンデルのオーナー。小野塚道雄の父親。
●小野塚紀子(40歳)
小野塚敬之の妻。
●小野塚道雄(10歳)
殺人事件唯一の生き残り。
●飯島直哉(24歳)
ラヴェンデルで働く調理アシスタント。

・学生仲間の宿泊客

●鈴木真治(20歳)
宿泊客の一人。山岳部の大学2年生。
●杉原海(21歳)
宿泊客の一人。山岳部の大学2年生。
●新田祐樹(19歳)
宿泊客の一人。山岳部の大学1年生。

・職場仲間の宿泊客

●桐谷ゆりあ(23歳)
貿易会社に勤めている。スノーボードを楽しむためラヴェンデルに宿泊。
●今野由紀(22歳)
桐谷と同じ貿易会社に勤める。宿泊の目的は桐谷と同じ。

・ドイツ人夫婦

●ホーバード・シュミット(52歳)
日本の観光に訪れたドイツ人。
●アデリナ・シュミット(48歳)
ホーバード・シュミットの妻。

・惨劇を生んだ張本人と言われている人物

●田上洋平(29歳)
田上と同姓同名の人物。ラヴェンデルには他の宿泊客よりも遅れて到着。
小野塚道雄は彼の顔を見ていない。

(こんな感じだな……)
 改めて登場人物を整理して眺めてみると、少しだけパズルのピースが埋まったような気がしてくるから不思議なものである。
 俺は自動文章作成プログラムを走らせ、プロジェクト「ONISHI」を始めることにした。
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