その2 治療後の、その後的なもの

文字数 1,079文字

 人間ドックを受診してから2年、手術および放射線治療から1年が経過しました。
 今のところなんてことはなくノホホンと生きていますけど、やっぱり「今までにはなかった」ちょっとした変化のようなものは起きています。

 その前に、あれです。ご報告。毛が生えてきました。

 放射線治療をすると見事なまでに産毛でさえ生えないハゲ山化するのだが(山とかいうな、平野のくせに)、そのままハゲ山かと思ったらきちんと毛が生えてきたのです。

 ただですね、問題は産毛じゃないんですよ、ってところ。
 手術痕の部分にだけ、2本ほど太いのが生えてきているわけですよ。


 ……なんで?


 すっぱりと切り取られた皮膚を頑張って再生させようとでもしたのでしょうか。頑張りすぎて毛根まで元気になってしまったのかもしれません。いや、そんなに頑張らなくてもいいのに……。

 まあ、それはそれで仕方ないのですが。

 そしてその痕は現在……へこんでいます。

 うん、見事な(ぼこ)です。(ぼこ)
 なだらかな平地と思わせての、突然の窪み。自転車で快適に走っていたら思わずハンドル操作を誤ってすっころぶ。そんなレベル。

 切り開いて肉片を削り取ったのです、その分肉が減っているのは、そりゃそうです。
 それでもですよ、すっと指で自分の傷口に触れた時に


 あー……


 ってなるんです。なんだろう、このむなしさ。私のなけなしの肉が、というこの気持ち。誰かわかってくださいな。

 しゅん。

 皮膚の方はだいぶ良くなりましたが、まだツッパリ感が消えません。
 何かがいる感じがするんですよ。
 成長したエイリアンが私の肉を食い破って出てきたとしても、


 ああ、そうか、やっぱりね。


 と、言ってしまいそうです。ほんと。
 もしも私の右胸からエイリアンが生まれたなら、生まれたてのベイビーを手で包みながら溶鉱炉にでも飛び込まなきゃいけないのかもしれませんけど、いやですよ。私ひとりが死ぬくらいなら地球なんて滅んじゃいなさいよ。ふん。(暴論)


 でもって最後に、ピリリっと痛むのですね。手術痕が。


 よく「古傷が痛む」なんて表現あるけど、あれは本当ですよ。痛い。
 人によっては「低気圧」で痛むという人もいるし、私も実際天気が下り坂の時にピリリっと痛むことは多いのですが、必ずしもその条件で常に痛むわけでもない。


 発動条件がわかれば「お天気センサー」として役立てるのになあ。ざんねーん。

 ……とまあ、こんな感じで「その後」的なもの、お届けナリ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み