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文字数 666文字
海が広がるホテルのバルコニーで海の眺めながら物思いに耽る、結。
結たちが滞在しているホテルは断崖絶壁に建てられ、完全なプライベート空間になった部屋が一棟貸しのものでプールやジャグジーが付いており、180度の海を見渡せるホテルである。
何故らしいかって?
それは、結本人に来た記憶がないからである。
経緯を説明しよう。
昨日、ルカという弟が結にベッドで添い寝をしていた事件が起きた日のこと。
結は起きてそのままフルタイムのパンケーキ屋のバイトに行く。フルタイムなので体はヘトヘト、色々なことが同時に起き過ぎて心もヘトヘト、で家に帰ってすぐにベッドで爆睡をしていた。
ケイたちは結と結母の歓迎会を沖縄でやる予定だったため、結を起こそうとするがどんなことをしても起きることがなかったため、寝ている結を自家用ヘリコプターに乗せ運んできたというわけである。
そして、海が好きな結のために朝日を見ようということでクルーザーに乗ったのだが日が昇り始めても起きることがなく、起きたかと思うと勝手にパニックになり気を失ってしまったため、クルージングを諦めホテルに戻り目覚めたという流れである。
結の望んだことではないにしろ、色々な迷惑をかけ色々と台無しにした結は何も知らないまま沖縄での朝……いや昼を迎えたのである。