美涼無双(ゲーム&リアル)
文字数 1,526文字
……って、そういや、美涼のやつはどこへ行った……?
ゲームコーナー内をぐるっと見回してみると、奥のほうでガチャガチャとスティックとボタンを操作している美涼の姿を発見できた。……そして、反対側の席には、いかにもDQNっぽいやつがいた。
涼しい顔をしている美涼に対して、DQNは遠目でもイラついているのがわかる。これは、一方的に美涼が相手をボコボコにしている感じだろうか。
鮮やかに美涼の手が動くとともに、DQNが舌打ちをする。どうやら、必殺技でも決まったらしい。そして、勝敗も決したようだ。美涼はスティックを動かす手を止める。
それでも、DQNは乱入をやめるつもりはないようだ。乱暴な手つきでコインを投入する。そして、再びバトルが始まったが――やはり、美涼は強いらしい。DQNはイライラしながら、ガチャガチャとスティックを動かして乱暴にボタンを押す。
まさか、ショッピングモールのゲームコーナーにあんな粗野なやつがいるとは。そもそも、こんなところに格ゲーを置くなって気もするが。
というか……このDQN、岩山田とかの関係者じゃないだろうな? 年齢は、俺たちより少し上っぽくは見えるが。
そんなことを考えているうちに、再び美涼が勝利したようだ。DQNは憤怒のあまり、両手を振り上げて機械をぶっ叩く。ゴリラかなんかか、お前は。
そして、苛立った様子のDQNは椅子から立ち上がって、美涼に向かって喚き散らす。美涼はというと、馬鹿にしたような表情でなにかを言う。
「んだと、ごらぁ!」
その言葉を聞いたDQNは激昂して、美涼に拳を振るう――って、本当に単細胞だな、DQN! 驚くべきほど低レベルだっ!?
美涼はというと、椅子からひらりと体を翻して避けていた。
「このクソアマッ!」
DQNは本当にアホなようだった。こんな、商業施設の中だってのに、手に集まる魔力。そして、無思慮に放たれる衝撃波。あんなDQNでも一応魔法使いなのか。
「バカですか、あなたは」
美涼はそういうとともに、前面に風力障壁を展開する。それは、DQNの放った衝撃波を完全に打ち消した。
「ぶっ殺してやる!」
それでも、頭に血が昇ったDQNは美涼に殴りかかる。それを風のような身のこなしでかわして、投げを打つ美涼。
つうか、お前らこんなところでリアル格ゲーやるなよっ! そもそも、リアルで闘えるんだから、ゲームでやる必要もない気がしてくるっ!
ともかくも、美涼の豪快な投げが決まって、DQNはゲームコーナーの床に思いっきり叩きつけられて失神した。KOだ。
……って、勝敗はともかく、こんな場所でリアルファイトをしたら、当然、大騒ぎになるわけで。怯えた子供が泣き出したりして、えらい騒ぎになってしまった。
「こうなったら、仕方ありません。ずらかりましょう」
こちらにやってきた美涼から、しれっとした顔で言われる。ちなみに、床に叩きつけられたDQNは口から泡を噴き、白目を剥いて失神していた。
「お前、なにやっとんじゃっ」
「DQNに上には上がいることを教えてやっていたら、激昂しましてね。やはり、彼らの再教育は無理ですね」
「もうっ! ちょっとは自重しなさいよ!」
先日、街中で電撃をぶっ放した勅使河原に言う資格はない気もするが。
「ここで逃げきるのは無理だろ……。客多いし。事情を説明すれば大丈夫じゃないか? 一応、正当防衛は成立しそうな気もするし」
「面倒ですね。そんなことをしている間に、DQNの仲間がゾロゾロ集まってきますよ?」
確かに、そうかもしれない。しかし、逃げるとまた面倒になる。……ええいっ、これだからDQNと関わるのは嫌なんだっ。
ゲームコーナー内をぐるっと見回してみると、奥のほうでガチャガチャとスティックとボタンを操作している美涼の姿を発見できた。……そして、反対側の席には、いかにもDQNっぽいやつがいた。
涼しい顔をしている美涼に対して、DQNは遠目でもイラついているのがわかる。これは、一方的に美涼が相手をボコボコにしている感じだろうか。
鮮やかに美涼の手が動くとともに、DQNが舌打ちをする。どうやら、必殺技でも決まったらしい。そして、勝敗も決したようだ。美涼はスティックを動かす手を止める。
それでも、DQNは乱入をやめるつもりはないようだ。乱暴な手つきでコインを投入する。そして、再びバトルが始まったが――やはり、美涼は強いらしい。DQNはイライラしながら、ガチャガチャとスティックを動かして乱暴にボタンを押す。
まさか、ショッピングモールのゲームコーナーにあんな粗野なやつがいるとは。そもそも、こんなところに格ゲーを置くなって気もするが。
というか……このDQN、岩山田とかの関係者じゃないだろうな? 年齢は、俺たちより少し上っぽくは見えるが。
そんなことを考えているうちに、再び美涼が勝利したようだ。DQNは憤怒のあまり、両手を振り上げて機械をぶっ叩く。ゴリラかなんかか、お前は。
そして、苛立った様子のDQNは椅子から立ち上がって、美涼に向かって喚き散らす。美涼はというと、馬鹿にしたような表情でなにかを言う。
「んだと、ごらぁ!」
その言葉を聞いたDQNは激昂して、美涼に拳を振るう――って、本当に単細胞だな、DQN! 驚くべきほど低レベルだっ!?
美涼はというと、椅子からひらりと体を翻して避けていた。
「このクソアマッ!」
DQNは本当にアホなようだった。こんな、商業施設の中だってのに、手に集まる魔力。そして、無思慮に放たれる衝撃波。あんなDQNでも一応魔法使いなのか。
「バカですか、あなたは」
美涼はそういうとともに、前面に風力障壁を展開する。それは、DQNの放った衝撃波を完全に打ち消した。
「ぶっ殺してやる!」
それでも、頭に血が昇ったDQNは美涼に殴りかかる。それを風のような身のこなしでかわして、投げを打つ美涼。
つうか、お前らこんなところでリアル格ゲーやるなよっ! そもそも、リアルで闘えるんだから、ゲームでやる必要もない気がしてくるっ!
ともかくも、美涼の豪快な投げが決まって、DQNはゲームコーナーの床に思いっきり叩きつけられて失神した。KOだ。
……って、勝敗はともかく、こんな場所でリアルファイトをしたら、当然、大騒ぎになるわけで。怯えた子供が泣き出したりして、えらい騒ぎになってしまった。
「こうなったら、仕方ありません。ずらかりましょう」
こちらにやってきた美涼から、しれっとした顔で言われる。ちなみに、床に叩きつけられたDQNは口から泡を噴き、白目を剥いて失神していた。
「お前、なにやっとんじゃっ」
「DQNに上には上がいることを教えてやっていたら、激昂しましてね。やはり、彼らの再教育は無理ですね」
「もうっ! ちょっとは自重しなさいよ!」
先日、街中で電撃をぶっ放した勅使河原に言う資格はない気もするが。
「ここで逃げきるのは無理だろ……。客多いし。事情を説明すれば大丈夫じゃないか? 一応、正当防衛は成立しそうな気もするし」
「面倒ですね。そんなことをしている間に、DQNの仲間がゾロゾロ集まってきますよ?」
確かに、そうかもしれない。しかし、逃げるとまた面倒になる。……ええいっ、これだからDQNと関わるのは嫌なんだっ。