あたため研究所

文字数 2,868文字

映画「あたため研究所」の話!
教育テレビで人気のクレイアニメの映画版ですね。大小様々な形の謎の生物「モヨモ」の日常を描いた作品ですが、映画では冒険活劇になってます。
公式では子供向けをうたっていますが、有名絵画のオマージュと思われる背景や小物、国民的アニメの再現と思われる回など、その他様々なジャンルのパロディと思われる仕掛けがたくさんあり、その中毒性から大人でもファンの多いシリーズです。
モヨモたちの言語が意味不明なせいではっきりとオチがわからない回も多く、放送後「解読班」と呼ばれる人たちがネットで活躍するのが一時社会現象になりました。あたため研究所というタイトルもはっきりした意味は公式から発表されておらず、映画版で明らかになるんじゃないかと噂されてましたが、結局わかりませんでしたねー。
私が聞いたのは、もともとはマジンガーZのパロディアニメの企画だったんだけれど、原作者サイドからOKが出ず、それで原型をとどめないくらいに脱力デフォルメしたのが「あたため研究所」の原型になったって説です。つまり「光子力研究所」が元ネタだと。他にも諸説ありますけど。
私の周りでもいろんな説がありますねー。「アイデアをあたためる研究所の略」なんて言ってる友人もいます。モヨモたちは具体的な形になる前のアイデアを具現化したもの…っていう。確かにモヨモたちがものを作る回は多いのですが…
「ものを作る回」で思い出しましたけど、「あたため研究所」の番組そのものを作る、ていうメタな回がありましたね。翌週、ほんとにモヨモたちが作った「あたため研究所」が放映されて、あまりのシュールな出来に言葉を失った伝説の回でした。
DVD版ではメニュー選択でモヨモ語の字幕が出ましたよね。
ただその字幕は訳者の人のアレンジセンスが今ひとつで、ガチ勢からは不満や非難がかなり出ていたのを覚えてます。

「ここがお前の墓場だ」に当たる言い回しを「この土地は記念の土地になる」と訳したり微妙に外してる感じで。

ニュース23ですよね。観ました観ました。

一瞬しか映らなかったけど、背骨と肋骨の表現めっちゃリアルなよくできたコスチュームでしたよね。

世界的に有名になった割に、内容に関してはどの国の人も「Crazy」と一言で表現するんですよね(笑)

映画版はそのへんを意識してか、ストーリー自体は単純になってますね。テレビ(あれはブラウン管テレビ?)に感化されたモヨモたちが、野を越え山超え旅をする。アメコミヒーローと思われるモチーフも随所に盛り込まれていたので、海外でも話題にしやすいのではないでしょうか?

ねっ、瓜生さん!

そうですねえ。ストーリーを単純にした分、海外の解読班の深読みの外しっぷりが面白かったですねえ。ほら、モヨモがうどんを食べるシーンで、テーブルにわさびと鮫皮おろしが置いてあるじゃないですか。単にうどん・そばを出す店の普通のシーンなんですが、「うどんと言えば讃岐うどん、つまり『わさび』を『さ』抜きにして日本の『わび』を示している」とか。それはさすがに深読みしすぎだろうと(笑)。日本の知識がすごいとは思いますけど。
公式配信の動画だと00:00:08辺りからの食事シーンですね。
ですです。モヨモは設定のブレっぷりも見どころなんですが、公式配信だけ見るとモヨモって殺し屋以外の何者でもない(笑)。あの食事のシーンも、本編であんなにほのぼのしたシーンになっているとは思いもしませんでした。娘といっしょに観に行ったんですが、映画館を出た直後の娘の感想は「結局、モヨモってサナダムシってことでいいんだよね?」ですからね(笑)。部分的に見ればまあそう取れなくもないというか……通して観ると理解不能だからそれが正しい楽しみ方なのかも。
当時モヨモたちのファッションも話題になりましたね。僕はモヨモ(緑)に影響されて生まれて初めてBurberryのショップに行って1万2千円するフリースを買いました。
私が影響受けたのはモヨモ(腐)ですねえ。ご多分に漏れず、私も近所のスーパーで買い占めましたから。
いろんなタイプのモヨモが登場しますが、モヨモ(念)なんか一田さん好みなんじゃないですか? ね、一田さん!
当時はマニアの間で諸説入り乱れて考察されたあた研。中には現実の事件と照らして予言の映画だという説までありました。
僕の好きなのはモヨモ含め、あの映画の世界が一度現代人類文明が滅んだ後の、ポストアポカリプス世界のシミュレーションだ、という解釈です。
「帝都航空機墜落事故」や「カダス共和国紛争」などが劇中のセリフやモヨモのTシャツの英文などで予言されてた……って言われてましたがコジツケも甚だしいですよね。
ポストアポカリプス説なら、劇中の文化が洋の東西も時代もバラバラなものがゴッチャになってるのも頷けるし、モヨモというヒトであってヒトでない生命体も、人類が滅んだ後に、猿以外から進化した人類だと納得できるんですよ。
タイトルの「あたため」もラテン語の「アトゥア・タメ」、即ち「その後の、その先の」という意味だと考えたら、あの映画自体がそのまま「あたため研究所」なんですよね。
エンディングのモヨモが砂浜で遊んでるシーンで、一人のモヨモが砂にうまったなにかにつまずいて転んじゃうんですけど、あれ、ユニコーンガンダムの頭部なんですよね。それが実はガンプラではなく、お台場の等身大の立像だって話があって。だとするとポストアポカリプス説もぐっと信憑性が出てきます。モヨモのサイズが気になりますが(笑)。
モヨモのサイズ、ホントにわからないですよね。なんせ背景に超特大ビリケンさんがいる回とかあるし…(笑)かと思えば小さな姫路城を頭にのっけてるモヨモがいたり、遠近法がしっちゃかめっちゃかなゾーンもあって、ある程度エリアが分かれてるみたいだけど地形の全体像が全然わからない…
キモカワなだけのモヨモをなんとなく眺めていたはずが、観れば観るほど迷路のようにその謎の魅力に迷い込まされる「あたため研究所」。ほんっといい映画‼︎
私はモヨモのサイズは変わらず、世界の方が変わっている説を推します。変わるモノ、変わらないモノ――見方次第でまるで逆になってしまうってメッセージが「あたため研究所」の一番伝えたいことなのかもしれません。ほんっといい映画!
あたため研究所は見るたびに解釈が変わるのである意味ずっと楽しめる作品かもしれませんね。ほんっといい映画!
*** 了 ***

hiromaru712

それでは今回のグッドカード進呈者を発表してください。
せーのっ
ときおさん!
ときおさん!
一田さん!
それでは最終獲得ポイントを発表します。
ダラララララララララ……
ダンッ!
ヒロマル  4ポイント

一田さん  4ポイント

瓜生さん  4ポイント

ときおさん 4ポイント

よって優勝は……
今回の参加者である僕たち全員です!!!
いやぁ、ほんっっといいゲームっ!
打ち合わせしたかのような結末
いえいえー!
では、エピソードを改めまして、感想戦とまとめに入りたいと思います。
ほえーすごいw

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登場人物紹介

ヒロマル【ひろまる】

広島在住、販売業の男性。趣味で書いた小説が受賞して電子書籍になったことがある。アニメ・特撮好き。

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