恵人の編6

文字数 346文字

 だが生き返った身では、自分の手で連れて行くことはできない。それは側にいる沢口にお願いするしかない。
 いや、まずい。あの美少女たちがいるのを、すっかり忘れていた。
 あの時、傍に駆け寄りたい助平心をぐっと我慢した自分と違って、少女たちが動かずにじっとしていることをいいことに、下手をすれば3人のスカートを派手に捲り上げて、Tバックを拝むかもしれない。
 やっぱり、やめとこ。
「 勉強って。あのな、中学校にも行っていない12歳の少年が、中学1年から大学までの教科書を覚えられるわけがないだろうが。諦めろ。僕が傍で、試験の答えを教えてやる」
 その隼人が、家庭教師にでもなったような顔をして口を吐いてきた。
 その顔を見ていて、やっぱりマンゴー園の話はやめることに決めた。




 

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