第32話 花火大会
文字数 2,101文字
明は冬月さんと一緒に歩けて嬉しそうだ。
さっそく勇気を出して、冬月さんから言われたことを実施してみようと思う…
(よし!実践してみよう…)
愛は嫌がっている素振りはなかった…
(これも冬月さんとの練習の成果かもしれない…手汗は冬月さんとの時より酷くない…)
隣に座る愛が俺に言った。
でも、バイト先の先輩優しいから、色々教えてくれて楽しくやってるよ。バイト先の先輩は違う高校の人なんだけど、自分で受験費用のためにアルバイトしてるらしいんだけど、今年受験生だから、大変みたい。
愛と明はせっかくとった場所なのでそのまま残ることになり、冬月さんと二人で一旦その場所を離れる。
このまま、次のステップに進むのは構わないけど、拒絶されたり、ためらわれたりしたら、強引に行くな。わかったな?
まぁ龍一は強引なタイプじゃねーだろうけど。
さっきTATSUYA書店でバイト始めたって言ってただろ?
バイト先の優しい先輩が女なら別に気にすることはねぇけど、男かもしれない…
どんなやつか偵察しに行く必要がある…
とりあえず、龍一の分のかき氷はあの知らねーやつにあげろな。
いやだろうけど、そのほうが龍一の印象が、いいからな。
知らない男の人はやはり愛のアルバイト先であるTATSUYA書店のバイトの先輩で、俺達の一つ上。
高校も俺達の通う高校よりもレベルの高い高校の人…
見た目も平凡な俺と違って爽やかな感じ…
俺は一つ後ろの列にずれると、冬月さんと明が俺を可哀想な人をみる目で見ている…
冬月さんも明も俺の気持ちは知っている…
あっちは爽やかなイケメンで頭も良くて、性格も良さそうで、先輩なわけで、俺みたいにオドオドしないで落ち着いてるし…
(あ〜これはそうだよな…)
って思うと、花火が始まってしまった…
そして、楽しそうな二人の後ろ姿をみるだけの花火が終わった…
冬月さんは明を無理矢理一人で家に帰らせた…
そして俺に言った…
俺と冬月さんも茂みにうまくかくれながら移動する…
ベンチに座る二人の声が聞こえる距離まで来た…
龍一の幼馴染。片思いの相手。
仙台七夕祭り花火大会にて