第19話 ケース1 女子高校生失踪事件⑱
文字数 1,061文字
――キーンコーンカーンコーン。
授業がすべて終わったことを告げる鐘の音が、鳴り響く。
私は、この瞬間を待っていた。
「里香、遊び行こう」
「冷夏が、奢ってくれるって。本当太っ腹ですごいねえ」
冷夏と藍子が、笑顔で声をかけてくれる。冷夏、マジか。神か! だが、私はやらねばならぬことがあるのだよ。
「ごめん、今日はパス。埋め合わせは今度するから」
ちょっと、里香! という声に後ろ髪をひかれながら、私は前進する。
校庭を横切り、道路へ。速足で歩くが、だあもお、おっそい。
制服姿で走ると、パンツ見えちゃうかもだけど、知ったことか!
右、左と曲がり、呑気に寝てる野良猫を飛び越し、おば様連中を追い越したら、さあ着いた。
心臓がバクバクいってる。……このバクバクは、走ってきたってのもあるけど、どっちかというと、ここに入るのがちょっと怖いからかも。
私は、目の前にそびえる建物の古びた看板を見上げる。
「魔眼屋、ねえ。比喩でもなんでもなくマジだもんなあ」
頬を思いっきり叩く。いったーい。ヒリヒリするし、耳はちょっとキーンとした。けど、気合入ったよし。……やっぱり、怖い。
「おい、何をしている」
「ハニャー! ら、来世さん」
背後を振り向くと、鋭い目つきで来世さんが私を睨んでいた。
ああ、やっぱり今日も威圧感あるなーって、なんか笑ってない?
「は、ハニャーって、猫でも言わないぞ」
「え、は! 忘れてください。間違いです。来世さんが驚かすから」
絶対、私、顔赤くなってる。顔全体から熱気が噴き出た感じがするし。
……つか、笑いすぎ。こんなにはっきり笑うの初めてみた。んー、やっぱイケメンだなー。目鼻立ちはっきりとしてるし、男の人っぽい匂いするしー。
「おい、妙なことを考えているな」
「え、考えてませんよ。あ、もしかして魔眼ですか? 心読みましたね」
人差し指を突きつけてやった。けど、彼はそっけない顔で、魔眼屋に入っていった。
私は慌てて後を追い、ドアを開ける。
「で、仕事が終わったばかりで疲れているんだ。用があるなら今度にしてくれないか」
開けた瞬間にかけられた歓迎ムードゼロの言葉。ひっどくない。ムッとしたから、意地でも帰らない。私は胸に鉄の意志を新たに、問いただす。
「女子高校生失踪事件。あの事件のからくりが知りたいんです。犯人たちは、あの不気味な画像だけで、どうやってあんなに沢山の女の子たちを集めていたんですか?」
授業がすべて終わったことを告げる鐘の音が、鳴り響く。
私は、この瞬間を待っていた。
「里香、遊び行こう」
「冷夏が、奢ってくれるって。本当太っ腹ですごいねえ」
冷夏と藍子が、笑顔で声をかけてくれる。冷夏、マジか。神か! だが、私はやらねばならぬことがあるのだよ。
「ごめん、今日はパス。埋め合わせは今度するから」
ちょっと、里香! という声に後ろ髪をひかれながら、私は前進する。
校庭を横切り、道路へ。速足で歩くが、だあもお、おっそい。
制服姿で走ると、パンツ見えちゃうかもだけど、知ったことか!
右、左と曲がり、呑気に寝てる野良猫を飛び越し、おば様連中を追い越したら、さあ着いた。
心臓がバクバクいってる。……このバクバクは、走ってきたってのもあるけど、どっちかというと、ここに入るのがちょっと怖いからかも。
私は、目の前にそびえる建物の古びた看板を見上げる。
「魔眼屋、ねえ。比喩でもなんでもなくマジだもんなあ」
頬を思いっきり叩く。いったーい。ヒリヒリするし、耳はちょっとキーンとした。けど、気合入ったよし。……やっぱり、怖い。
「おい、何をしている」
「ハニャー! ら、来世さん」
背後を振り向くと、鋭い目つきで来世さんが私を睨んでいた。
ああ、やっぱり今日も威圧感あるなーって、なんか笑ってない?
「は、ハニャーって、猫でも言わないぞ」
「え、は! 忘れてください。間違いです。来世さんが驚かすから」
絶対、私、顔赤くなってる。顔全体から熱気が噴き出た感じがするし。
……つか、笑いすぎ。こんなにはっきり笑うの初めてみた。んー、やっぱイケメンだなー。目鼻立ちはっきりとしてるし、男の人っぽい匂いするしー。
「おい、妙なことを考えているな」
「え、考えてませんよ。あ、もしかして魔眼ですか? 心読みましたね」
人差し指を突きつけてやった。けど、彼はそっけない顔で、魔眼屋に入っていった。
私は慌てて後を追い、ドアを開ける。
「で、仕事が終わったばかりで疲れているんだ。用があるなら今度にしてくれないか」
開けた瞬間にかけられた歓迎ムードゼロの言葉。ひっどくない。ムッとしたから、意地でも帰らない。私は胸に鉄の意志を新たに、問いただす。
「女子高校生失踪事件。あの事件のからくりが知りたいんです。犯人たちは、あの不気味な画像だけで、どうやってあんなに沢山の女の子たちを集めていたんですか?」