24

文字数 406文字



自分で決めた事なのに
最後の一枚の
その笑顔に
目を奪われ
気が付けば
陽が傾き
楽しかった事だけが
頭の中で
思い出しては
消えていく
何も手につかないのに
お腹だけはすく
写真をかざした
赤く染まった空は
もう戻れないよと告げた
不思議と涙は出ない
頭の中は
吹っ切れてるから
でも最後の一枚を
破れずに眺めてるのは
2人とも最高の
笑顔だから
わかっているよ
ダメにしたのは
近くにいることよりも
仕事を選んだから
お互いに
仕事が大切に
なってしまった
一度しかない人生
チャレンジしてみたくなった
何回も話して
ここじゃできないし
2つは一緒にできないし
そんなに器用じゃないから
そう結論づけた
隣にいることができないなら
恋人を解消しようと
わたしから伝えた
あなたもそう考えてた
二人で決めた
始まりのための別れ
狭い部屋の中で一人
何も手につかない
そんな事を知らない新しい街は
どこでも優しく
出迎えてくれているようだった
とりあえず
お腹を満たして
写真にさよならを告げよう
前に進むために



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み