詩小説『おくすり』3分の町に潜む闇。現代人へ。〜第1話〜

エピソード文字数 569文字

おくすり

ごくごく普通の女の子ではあるが、どこにでもいる女の子とは言われたくなかった。

不良と呼ばれるほど荒れてはない。引きこもりと呼ばれるほどは暗くはない。

ただ違和感しかなかった。当たり前は当たり前じゃなかった。

みんなが同じ服を着て、同じ方向を向いて、同じ顔して笑っている学校に窮屈さを覚えた。

卒業式には行かなかった。窓ガラスは割らなかった。卒業文集は先生が書いた。

大学には行かなかった。仕事も探さなかった。ただ家を出た。

アルバイト先を転々とした。私の居場所はどこだろう。こんな気持ち分かるだろうか。

さほど仲良くもないバイト先の顔見知りと呑むこととなり、路地裏のバーへ。

周りはそろそろ帰ろうかと席を立つ。
私はもう少し呑んでいたくて店に残った。

店に出た頃には久しぶりの酔えた感覚に浸っていた。なんだかどうでもよくなって、座り込んだネオンの下。

迷い込んだひとつ外れの歓楽街。

見上げれば見覚えのないお兄さんが、私に微笑んでいた。
「お姉さん、楽しそうだね。こんなとこに座っちゃって」
「別に」
「いい薬あるんだけど、ひとつどう?」
「いらない。ってかヤバそうだから」
「ヤバくないよ。ただのサプリ。安眠効果があったり、ダイエット効果もあるんだよ」
「興味ない」
「世界が変わるよ」

「セカイ?」
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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