第18話 人質交換には成功したが
文字数 1,588文字
コータローの運転でアオイたちの大型バンが倉庫の中央に向かってゆっくり進んで行く。
「中央から10メートル手前で止まれ」と、スピーカーの声。
コータローがゆっくりクルマを止める。
しかし、運転席には男が1人残って、いつでもSUVを発進できる態勢だ。
前方からは片瀬洋子がおっかなびっくり、こちらに歩いてくる。
世津奈は片瀬洋子を保護するため、アオイはスナイパーとSUVに放電するため、それぞれ、バンを下りる。
世津奈が片瀬洋子に駆け寄り、抱きかかえる。
SUVの車体が横滑りし、片瀬洋子とバンを結ぶ線から大きくそれて停止する。
世津奈はバンの外で二人が乗り込むのを見守ってから、アオイに声をかける。
しかし、アオイはその存在に気づかない。