第9話 榛名春奈、倉庫内作業中②
文字数 1,204文字
ヤル気を漲らせた当真。彼は次なる行動に出ようとしていた。
その声に、ハッとなる当真。元々、私立水上学園は女子校であり、男女間にはある
簡単に言うと、何事においても女性陣の方が強く、学園内における全ての決定権を持っていた。そして、彼女達は職員生徒共に男子より圧倒的に数が多いのだ。
この非常時…命からがら魔物から逃げてきた…そんな
『EX
優しい春奈先生なら、きっと許してくれるし、誰にも言わないでくれるだろう…彼の持つ気弱な
『EX
心臓が早鐘を打つ、身体中の血が沸騰したような感覚と共に、一気に頭に血が上った。
そして、水森当真の体内に榛名春奈を抱き締めた時にあった、狂おしい程の
いきなり叫び出した当真を見て、びっくりする榛名春奈。しかし、当真はお構い無しに彼女の背後で咆哮を上げ続ける。
そして、彼は忘れていた大事なコトを思い出し、ハッとなる。
不退転の決意を固め、榛名春奈の元へやって来た当真。こんなところで、ビビって退くなんて有り得ない。
『
システムから、
ソレが意味するところを理解した瞬間、彼の心の奥底から万能感が吹き出した。
両眼を一杯に開き叫ぶ当真。そこには、先程の弱気だった姿は微塵もない。
少年の中で、思春期特有の理論が構築されてゆく。