第70話 次世代くねくね3

文字数 408文字

 くねくねの話は、見て気が狂うか、見ずに助かるかの二択だ。
 倒すとかお祓いするとか、そういう展開はない。
 だから途方に暮れるしかなかった。
 まさか田舎から都会のアパートまで追っかけてくるなんて、誰が予想できるっていうんだ。

 幸いなことに、問題の窓はここに越してきてから数回しか開けていない、実質はめ殺しに近いものだった。
 開けたところで隣のアパートの住人とコンニチワするだけだしな。
 ……いや、隣人危険なのでは?

 向かいで変死事件が起きても寝覚めが悪いので、一応確認することにした。
 念の為、直前にまぶたの上から眼球を手でグッと押して、目にダメージを与えておく。
 アパートを出て、例の窓がある方向へ充分に距離を取ってから振り返る。
 ぼやけた視界のなか、特徴的な茶色い建物の、3階左から2番め。
 ――うん、何もない。

 見間違いや気のせいじゃなかったと断言できる。
 とすると残る可能性は……幻覚か。
 それはそれでヤバい。
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