詩小説『眠りにつく冬』3分の春夏秋冬。季節に敏感でいたい人へ。

エピソード文字数 525文字

眠りにつく冬

落ち葉の乾いた音。ふみ鳴らして、立ち止まる。白い息は消えていった。僕等の頭の上で。

ダウンジャケットの擦れる音。僕等、大袈裟に笑いあっても。虚しさを隠せずに、同時に黙りこくる。

落ち葉の上、寝転んで、見上げた、澄み切った空。静かに流れる時間の中、そっと目を閉じた。

ここで僕等、お別れみたいだ。
別れを告げようか。さよなら言おうか。
ずっとはいっしょに居られないこと。
知ってた。知ってたはず。

想い出話に浮かべた笑みは、どこか淋しさが混ざる。これからのこと話す瞳は、透き通っていた。

なにかが変わろうとしてること。道は枝分かれしていること。元気でやれよと呟いた。黙って頷いた。

膨らむ手袋の中、握りしめた。マフラーに埋まる君の横顔見ていた。想い出になる前に。

ここで僕等、お別れみたいだ。
最後の時。今は少しだけ立ち止まってみる。
歩き出すには少しだけ、頼りない足取りで。

ここで僕等、お別れみたいだ。
別れを告げようか。さよなら言おうか。
ずっとはいっしょに居られないこと。
知ってた。知ってたはず。

落ち葉の上、寝転んで、見上げた、澄み切った空。静かに流れる時間の中、そっと目を閉じた。

このまま、眠ろうか。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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