第3話 力の扱いかた
文字数 1,357文字
〜第3話 力の扱いかた〜
「ただいま、帰りました。」
誰もいない部屋に向かって叫ぶ。
「おう、思ったより早かったな。」
「ええっ。父上。お仕事、もう終わったのですか。」
無言で父がぴらぴらと紙を見せる。
「あ、伝書鳩ですか。」
「長老のところから届いてきたのだ。あと、手紙も。」
「手紙、ですか。」
「読んどけ。今、料理してたのだ。」
「昼食、よろしくお願い致します。」
「ん。」
テダ殿
心からお悔やみ申し上げる。生前、リシャ殿にはお世話になった。
ところで、娘のサナ様は神の使い手であると確認した。
神の使い手については詳しく話したが、力の扱い方には慣れていないご様子。
リシャ殿が遺された書をお渡ししてあるから、訓練すると良いだろう。
長老ワケボ
いや、これ、、、、
父上宛じゃん!
おおーーーーーきくテダ殿って書いてあるよね?ね?
「お前の昼食だ。冷めないうちに食べろ。」
「ありがとうございます、では、いただきます。」
「どうだ、美味いか?」
「え。。。。。。。。」
「何とか言え。どうだ?」
日頃の毒物作っている父上にしては、食べられるものを作っただけすごいと思う。
が。
そんなこと言えないし。
「前よりは料理がお上手になりました、ね。」
「そうか、そうか。どんどん食え。」
熊肉のスープ、好きだよ。確かに好きだって言ったよ。
でも、
何で鍋三杯分も作ってるの?
てか、どこからそんなどでかい鍋持ってきたの?
父上、そんな食べないよね?
んーん、これじゃ、当分スープ祭りだなあ。
「あの、訓練、頑張れよ。」
「はっはい。」
「でも、片付けは頼むな。」
え。。。。このおおーきい鍋を?一人で?
「作るのはやったからな、では。」
いや、ちょっと、作るのやったって言ってたけど、ひどくない?
もう、仕事行っちゃったし。なんなのもう。
その後1時間かけて鍋の炭をこそぎ落とし、片付けた。
「やーっと終わったあ。さあて、訓練開始!」
書をそっと開く。
力について
力を持った人は生まれつきや訓練によって、動物と対話することが可能。
訓練準備
まず、今、能力はどれほどあるか。
其の一 話を聞くのも難しい。
二 数分から数十分の間、話を聞ける。
三 いつでも、好きなように話を聞ける。
四 話しかけると、たまに答えが返ってくる。
五 人間と同じように対話がなめらかにできる。
んー、私は二かな。
其の二の方の訓練方法
動物の話をずっと聞くには、たくさんの動物の話を聞くことが大切だ。
生まれつき動物の話が聞ける人でも、以下のことを行うことで、飛躍的に聞き取りやすく、長い間聞けるようになる。
神詞 を唱えること
たしかに、私は途切れ途切れながらも生まれつき、動物の話は聞き取れていたんだよね。
母上がいつも唱えていたのは神詞だったのかあ。
神詞って、言葉の神様への挨拶で、先に唱えてからだと、抜群に聞き取れるし話しやすくなる。
本当に上達すると心が通じ合い、こんなのを唱えなくても心の中だけで会話ができるようになるらしい。
一回唱えてみるか!(ノリ軽いなあ、我ながら。)
すーはー。深呼吸して心を無にする。
ひふみ よいむなや こ
げっほげほげほ。
はああ。
全然だめだ。
一言読むたびに上から圧がかかってきて、体が押しつぶされてしまう。
息が吸えない。
私は日が沈むまで、これを唱え続けた。
でも、全然進まない。
「ただいま、帰りました。」
誰もいない部屋に向かって叫ぶ。
「おう、思ったより早かったな。」
「ええっ。父上。お仕事、もう終わったのですか。」
無言で父がぴらぴらと紙を見せる。
「あ、伝書鳩ですか。」
「長老のところから届いてきたのだ。あと、手紙も。」
「手紙、ですか。」
「読んどけ。今、料理してたのだ。」
「昼食、よろしくお願い致します。」
「ん。」
テダ殿
心からお悔やみ申し上げる。生前、リシャ殿にはお世話になった。
ところで、娘のサナ様は神の使い手であると確認した。
神の使い手については詳しく話したが、力の扱い方には慣れていないご様子。
リシャ殿が遺された書をお渡ししてあるから、訓練すると良いだろう。
長老ワケボ
いや、これ、、、、
父上宛じゃん!
おおーーーーーきくテダ殿って書いてあるよね?ね?
「お前の昼食だ。冷めないうちに食べろ。」
「ありがとうございます、では、いただきます。」
「どうだ、美味いか?」
「え。。。。。。。。」
「何とか言え。どうだ?」
日頃の毒物作っている父上にしては、食べられるものを作っただけすごいと思う。
が。
そんなこと言えないし。
「前よりは料理がお上手になりました、ね。」
「そうか、そうか。どんどん食え。」
熊肉のスープ、好きだよ。確かに好きだって言ったよ。
でも、
何で鍋三杯分も作ってるの?
てか、どこからそんなどでかい鍋持ってきたの?
父上、そんな食べないよね?
んーん、これじゃ、当分スープ祭りだなあ。
「あの、訓練、頑張れよ。」
「はっはい。」
「でも、片付けは頼むな。」
え。。。。このおおーきい鍋を?一人で?
「作るのはやったからな、では。」
いや、ちょっと、作るのやったって言ってたけど、ひどくない?
もう、仕事行っちゃったし。なんなのもう。
その後1時間かけて鍋の炭をこそぎ落とし、片付けた。
「やーっと終わったあ。さあて、訓練開始!」
書をそっと開く。
力について
力を持った人は生まれつきや訓練によって、動物と対話することが可能。
訓練準備
まず、今、能力はどれほどあるか。
其の一 話を聞くのも難しい。
二 数分から数十分の間、話を聞ける。
三 いつでも、好きなように話を聞ける。
四 話しかけると、たまに答えが返ってくる。
五 人間と同じように対話がなめらかにできる。
んー、私は二かな。
其の二の方の訓練方法
動物の話をずっと聞くには、たくさんの動物の話を聞くことが大切だ。
生まれつき動物の話が聞ける人でも、以下のことを行うことで、飛躍的に聞き取りやすく、長い間聞けるようになる。
たしかに、私は途切れ途切れながらも生まれつき、動物の話は聞き取れていたんだよね。
母上がいつも唱えていたのは神詞だったのかあ。
神詞って、言葉の神様への挨拶で、先に唱えてからだと、抜群に聞き取れるし話しやすくなる。
本当に上達すると心が通じ合い、こんなのを唱えなくても心の中だけで会話ができるようになるらしい。
一回唱えてみるか!(ノリ軽いなあ、我ながら。)
すーはー。深呼吸して心を無にする。
ひふみ よいむなや こ
げっほげほげほ。
はああ。
全然だめだ。
一言読むたびに上から圧がかかってきて、体が押しつぶされてしまう。
息が吸えない。
私は日が沈むまで、これを唱え続けた。
でも、全然進まない。