第23話 修学旅行(最終日の夜)
文字数 2,607文字
でも一生懸命龍一のために坂木さんと上手くいくように頑張ってくれたんだから、結果はどうあれお礼はちゃんと言ったほうがいいぞ?
(ちゃんとお礼言わなきゃな)
隣のクラスの男子と…
冬月さんはお風呂あがりなのだろうか、いい匂いがする。
ドサッという鈍い音がして、俺は尻もちをついた…
ちょっと向こうにいる愛と男子が俺を見ている…
(気まずいだろ…)
(え?なんで冬月さんが泣くの?!(汗))
愛が戻ってきたときには、冬月さんは泣き止んでいたのでよかった…
愛は冬月さんが何でいたのか疑問に思っていないのか、何も聞いてこずに二人で、部屋に話をしながら戻っていった…
USJで私はみんなが絶叫系に乗りたいと言うので、苦手なことを我慢して、みんなに合わせて乗ったら具合が悪くなった…
1回目でもきつかった…2回目は最悪だ…
もう吐きそうだ…もう1回みんなは行くらしい…
そんな時…龍一は気づいてくれた…
トイレで吐く私に嫌な顔一つせず、付き添ってくれた…
そんな龍一が好きな人は愛さんなんだろう。
学校に一緒に行ってる時もそんな感じはしてたけど。
多分、二人は両思いなんだ。お互いに幼馴染の関係が壊れるのが怖くてどちらも言い出せずにいるだけ。
そんな気がする…
だから、きっかけを何かつくってあげたかった。
でも、私のやることはあまりうまくいかなかった…申し訳ない…
ホテルに戻ると愛さんが隣のクラスの男子伝えたいことがあるからとに喚び出された…
多分告白されるんだろう…
私は龍一に連絡した。
龍一が邪魔して愛さんとその勢いのままくっつけば、いつも私の面倒を見てくれる龍一に少しは恩返しが出来るような気がした。
でも、龍一は違った…
人の告白邪魔するのは違うって言われた…
このまま、愛さんが一緒に行ったやつと万が一、くっついてしまったらと思うと、なんか歯がゆく悔しくて涙が出てきた…
結果的にさらに龍一を困らせてしまった…
余計なことしか出来なくてごめんって思うとさらに悲しくなった…
結果は愛さんが告白を断ったということだから、よかったと言えば、よかったと思う。
愛さんと部屋に話をしながら戻ると、ベッドで寝る前に考えた…
最初転校してきた時は龍一みたいな可もなく不可もないようなやつまではいいけど、友達いるやつが席が隣で最悪だと思った…
出来れば人とあんまり関わらなくて済むようなボッチのやつの隣の方が気楽かなと思っていたから。
心を開くつもりもなかったし、仲良くするつもりもなかったのに、気がつけば、私は龍一に助けられ、周りに温かい人がいて、修学旅行も楽しく過ごせた…
愛さんと龍一にはお互いに幸せになってほしいと思う。
でも…私の中で…そう思う反面、それを考えると少し歯がゆい気持ちになることに気づき始めていた…
修学旅行2日目の夜