文字数 398文字

 世界に、その異形の生物が出現してから早20年。
 人間は戦い続けていた。
 いつ果てるか分からぬ、生命のプライドを賭けた、戦争。

 徴兵制度は、いつしか出来ていた。
 戦争が終わらぬ限り人は死んでゆく。そして、戦うことを止めれば、もっと死ぬ。
 戦うための技術はどんどん進歩してゆく。
 人も、異形も。

 例えそれが、全ての良心に反することでも、その先に平和があるのなら。

 人型の生体兵器が登場したのは、ここ5年程の出来事。
 誰が考えたのか分からない。
 だけどそれは、現在では主流の兵器だった。
 搭乗者を選ぶものの、戦闘後の環境に対する被害が最も少なく、訓練次第ではどんな兵器よりも応用が利き、また仮に壊れたとしても生体部分の再利用が可能な、正に、先の見えない戦いにおいては理想的な兵器だった。

 おかげで、その生体兵器の適性を持つものは、余程の事情の無い限り、その生体兵器の操縦者としてに徴兵されるのだった。
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