吸血鬼は陰陽師と踊る

文字数 1,466文字

銀多ペン 様作

【あらすじ】
中学三年生の主人公は、『気持ちはごく普通の中学生のつもりの、ただならぬ吸血鬼』。人間ながら妖怪と互角に戦う陰陽師(かなり見習い)の少年と引越当日に出会う。あまりの強さに、興味本位で彼の妖怪退治を見学していると、ゾクゾクと妖怪達が襲ってくる。
妖怪達が絶え間なく襲ってくるのは、どうやら彼の過去と秘密が関係しているようで───?

【補足1】
吸血鬼とは、人間の血を吸い蘇った死人または不死の存在。怪物とされることもあるし、悪魔とされることもある架空の存在。ヴァンパイア。

【補足2】
陰陽師とは、古代日本の律令制下において中務省の陰陽寮に属した官職の1つで、陰陽五行思想に基づいた陰陽道によって占筮(せんぜい)及び地相などを職掌とする方技(技術系の官人)として配置された者。
(wiki調べ)

【補足3】
踊るには4つの意味がある。1 音楽などに合わせて身体を動かす。舞踊を演ずる。2他人に操られて行動する。ここでは二つの意味のみ紹介。


書き出し一行はこちら
**
無数の炎が山に灯った時、すべては始まった。
(引用)
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まず、不思議なタイトルだなと思われる人もいると思う。その理由としては、海外(吸血鬼)×古代日本(陰陽師)というコラボが珍しい、またはミスマッチなイメージがするからだと思われる。だが、各言葉の意味についてきちんと知識を得れば、一見ミスマッチなものが繋がりを見せてくる。
陰陽師が倒しているものは、妖怪である。妖怪は架空の生き物であり、吸血鬼は怪物や悪魔とされこちらも架空の生き物。倒される存在だったのだろうか、と考えたりもしたが吸血鬼は観戦することが出来る。なので、怪物であるが人のフリをして生きることができる特別な位置に居るのではないかと、考える。
あらすじを見て見ると、陰陽師に関してはイメージ通り。主人公は早々に事情を知ることとなるわけだから、少なくとも友情や信頼が築かれていくのではないかと、想像してしまう。
以上を踏まえたうえで、もう一度タイトルについて考えると”踊る”とはなんだろうか、という考察が出来る。二つの意味を抽出してみたのだが、タイトルで注目しなければならないのは”と”の部分。つまり、一緒にという事を指している。
一緒に何かに操られるというのは面白いとは思うが、あらすじにて陰陽師がとても”強い”ということが分かっている。何かの陰謀に二人で襲われていた場合、そこに気づかされるためには、三人目が必要となって来る。しかし、あらすじとタイトルから考えると、相棒のような関係になるのではないかと想像できる。したがって、わたしの予想では”華麗に舞う”というところから派生する、”一緒に戦う”という意味合いなのではないかと推測する。
再びあらすじに戻ると、仮にタイトルから想像した物語の内容が”主人公が相棒となる陰陽師と一緒に戦う”物語だとするならば、”陰陽師の戦いぶり”を観戦し、何らかの理由により”彼の過去と秘密”を知ったからタッグを組むことになったのではないだろうか、という推論に至る。
さて、書き出しに目を移すと、ワクワクするような書き出しとなっている。
”無数の炎が山に灯った時、すべては始まった。”
この言葉が表しているのは、情景ではない。試合開始の合図。ゴングや開戦、開幕といったものだと思われる。この書き出しの効果は、読み手に”いよいよ始まったか!”という心が躍るような期待、手に汗を握る様な興奮を呼び覚ますものだ。
しかしながら、この考察が合っているとは限らない。是非あなたの目で、真実を確かめていただきたい。
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