序章

ぼくのなまえはピサ
ちいさな工場の工場長
なにを作っているかって？
ぼくが作っているのはモンスターたち

ぼくは生まれた時からひとりだったんだ
そしてなぜかわからないけれど
地球から飛び出して月に行ったり
他の星へ行ったり
宇宙をフラフラしたり
あー太陽のやつに燃やされそうになったこともあったっけ

まあこの地球のやつらが太陽系と呼んでいるところが
ぼくのナワバリさ
あー可愛くいうとお庭ってやつかな

本当いうとこのお庭
もっともっと広げられるんだぜ
ぼくはじぶんの力はこんなもんじゃないと思ってる
全宇宙を手に入れることだって
ぼくがその気になればかんたんなことなんだ

でもね
それじゃつまんないんだよ
どうしてかわからないけど
それじゃつまんないってことだけは
ぼくは生まれた時から知っていたんだ

だから
この地球のやつら　いや　みなさんともうまくやっているし
銀河系の中でおとなしく遊んでいるんだ

だけどさ
そんなぼくを邪魔するやつらがいるんだよね
なんでわかったのか
ぼくのすごい力を利用しようとするやつら
ぼくがいつもにこにこしているからって
意地悪なことを言ってくるやつら
ぼくの銀河系をうばおうするやつら

困っちゃうんだよね
ぼくはケンカはしたくないんだ
だからいいことを思いついた
宇宙に浮かんでいる色んな成分を合わせて
モンスターをつくることさ

モンスターはね
ぼくの兄弟みたいなものさ
こいつらにさ
ぼくの邪魔をしてくるやつらのところへ行ってもらって
ちょっといたずらしてもらうんだ

そしたらなんと！
予想外なことが起きちゃったんだ
ぼくの邪魔をしてくるやつらが
ぼくのモンスターたちと仲良しになっちゃうんだ

兄弟のようなモンスターたちが
ぼくのところへ帰ってこないのはさみしいけど

ぼくの邪魔をしたやつらが
ぼくの邪魔をしなくなるから
このモンスターファクトリーは大成功さ

ぼくはぼくのためだけにモンスターを作りはじめたんだけど
最近カスタマイズのモンスターを作ってほしいって
注文をもらうようになったんだ
この地球でもずいぶん生きやすくなったぼくだぜ

まあそれはともかく
これからぼくが作り出した最高の兄弟
モンスターたちを紹介するぜ

つづく