第5話

文字数 1,224文字

「彼から離れろ」

威嚇しながら緑の龍が口にすると勉の手を掴みながらデーモンが口を開いた。

「龍達の力を奪ったはずなのに力が戻るとはな」

そう言って勉の手を離し緑の龍に目を向けると口を開いた。

「緑の龍よ、次、会うときはお前の緑玉を奪う」

そう言ってデーモンがその場から姿を消すと勉は緑の龍に近づいた。

「ミドリさん、怪我は大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

「なぜ、デーモンと一緒に行こうとした」

「ミドリさんを助けたかったから」

「2度とデーモンと一緒に行こうとするな」

「はい…」

勉が返事をすると緑の龍は左右の瞳と髪と足首まで長い服が緑の人間に変身した。

「……」

「本当に怪我、大丈夫ですか?」

「暫く休めば大丈夫だ」

そう言って動こうとしたその時、ミドリの身体が倒れかけ「ミドリさん!」と言って勉はミドリを抱き止めた。

その後、勉はミドリを奥の部屋に運び畳の上に仰向けで寝かせた。

勉はミドリの上半身の部分の服を引き裂きいっぱいある傷を見た。

「大丈夫じゃないじゃないか…手当てしたいけど…救急箱なんてないよな」

そう言って勉は建物の中を歩き回り救急箱を探し始めた。

「やっぱ無いよな」

そう言ってミドリが居る部屋に戻った勉はミドリの傷の手当てをしている男性を目撃した。

「……」

立ったまま無言で勉が見つめていると傷の手当てを終えた男性が立ち上がり勉に近づいた。

「暫くしたら目を覚ますだろ」

「ありがとうございます」

「……」

「何ですか?」

自分を見つめる男性に問いかけると男性は何も言わず建物を出ていき白い龍になって上空を飛んでいった。

勉はミドリの側に座り目覚めを見守った。

その頃、デーモンは美咲と一緒に無人島で海を眺めていた。

「何で無人島に来たの?」

美咲の問いにデーモンは答えず悪魔を呼んだ。

「デーモン様、お呼びでしょうか」

「緑の龍から緑玉を奪ってこい」

「わかりました」

「白い龍も復活したみたいだ白玉も奪ってこい」

「わかりました」

返事をし悪魔が上空を飛んでいくとデーモンが美咲に向かって話しかけた。

「美咲」

「何?」

「目を閉じろ」

「……」

無言で美咲が目を閉じるとデーモンは顔を近づけ唇を重ねた。

その後、デーモンは唇を離し美咲に話しかけた。

「悪魔の力を授けた、その力を使って勉をここに連れてこい」

「わかりました」

目を開きデーモンに向かってお辞儀をすると美咲は黒い羽を広げ上空を飛んでいった。

1人になったデーモンは大龍神の石を片手のひらに乗せじっと見つめた。

「お前の力、試させてもらうぞ」

そう言ってデーモンは片手に乗せた大龍神の石を手の中に埋め込み力を込めるとデーモンの姿が変わった。

その姿とは左右の瞳の色が黒に黒い長髪に足首まで長い黒いコートそして黒いマントを羽織った姿に変わった。

その姿にデーモンは笑みを浮かべた。

「大龍神の力があれば他の龍が復活する前に龍の玉が手に入る」

そう言ってデーモンは黒い羽を広げ上空に上がると復活していない龍達を探しに飛んでいった。
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