「ファッションブスは滅びてください」

文字数 1,546文字

 以前、「ただの雑談のつもりだったのに」で書いたように、会話での地雷の話題は、人によってさまざまなものがある。
 ちなみに、私にとっての一番の地雷の話題は、学歴だ。私は言えないぐらいの低学歴なので、大卒の人が「自分は低学歴」などと訳のわからないことを言っていると、私ってなんなんだろう、という奇妙な敗北感に襲われる。
 真の低学歴の人間からしてみれば(少なくとも私からしたら)、大卒という時点で、Fランだろうが誰にでも入れる大学だろうが、高学歴なのだ。
 野球と政治の話はするなというが、できればそれに学歴も加えてほしいと思う次第である。

 学歴の話を書いているとムカムカしてくるので、二番目に地雷の話題を言うと、容姿に関しての話題である。
 中学生時代、明らかに美人の同級生が、「あ〜あ、かわいくなりたいなぁ」としつこく言ってくるので、「私は普通の見た目に生まれたかったな」と言ったところ、「普通ってなんなんだろうね……」としみじみと言われたことがある。
 私は小さいころからいじめられっ子だったのだが、その際も見た目が気持ち悪いといじめられることが非常に多かった。
 社会に出てからも、いじめまではいかなくとも、ブスだとやたらいじられた。

 「ちょうどいいブス」という言葉があるが、私は「ちょうどよくないほどブス」といったところである。
 こんなことを言っていると、ネット上でのやり取りで「そう言っておいて、実はそんなにブスでもないんでしょ?」と誤解されることがあるが、その流れで自撮りを送った途端にブロックされた経験が多々ある。どうやら私は、本当にブスのようだ。

 そんな私だから、「私ブスなんですけどモデルやってて〜」といった謎の発言には、つい噛み付きそうになってしまう。実際に噛み付いたこともある。
 以前、「私は化け物のような、とんでもないブスだけどモデル」とやたらと言っている、Twitterで相互フォロワーの人がいた。

 その人が自撮りを載せたところ、どう見ても美人だった。『美人ですね』とリプを送ったら、『いえ、自分の見た目に自信がないからモデルやってるんですよ』と返ってきた。
『美人じゃないとモデルはできないと思いますよ』とさらに返したら、『そうですよね。ありがとうございます』と返ってきた。
 ……結局自分の見た目に自信あるんじゃねーか!! と思ってしまうのは私だけだろうか。
 そもそも、自分の画像をネットに載せられるということは、少なくとも批判はされないという前提で載せているのだろうから、自信があるに決まっているのだ。

 なにせ、街を歩いていたら、後ろから「すみません、スカウトなんですが」と声をかけられ、振り向いたら「すみません、間違いでした!!と逃げられたことのある私である。
 それも若いころの話で、今となってはキャッチセールスにすら声をかけられない。
 そんな、ブスであることに自信のある私にとっては、自称ブスは“ファッションメンヘラ”ならぬ“ファッションブス”だ。
 つまり、あらかじめブスだと言っておくことで、いざ自撮りを上げたときに「ブスどころか美人じゃないですか!」と言わせる狙いがあるのだろう。

 実際に、自称ブスの人が自撮りを載せたときに、本当にブスだった試しがない。
 いやいや化粧や加工の力もあるよ、という説もあるが、元がある程度よくないと、どうにもならないことは確かだ。それは私が証明できる。
 私はもうこれ以上傷付きたくはないので、自撮りは載せられない。それだけだ。

 というわけで、ファッションブスは、滅びてください。皆さん、たいていの場合、私よりは圧倒的に美人ですから。
 実の祖母にまで「大丈夫。Mariちゃんよりブスはどこかにいるよ」と慰められた経験のある私が保証します。
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