【第10話】 アオノリュウゼツラン (前編)
文字数 1,790文字
カタカタ、カタカタ、カタカタカタ、カチッ。
(まず4年生の二神蓮李と歌川茉莉は別格。
蓮李さんは、長野の名門・佐久東高校出身。
高校駅伝では全国優勝も経験している。
5千の持ちタイムは去年、規模の小さい記録会で出した15:34。
大学でもトップ10に入るような良いタイムだと思うけど、もっとちゃんとしたレースに出て競り合えば、本来の彼女の力なら最低でも15:20くらいでは走れるはず。
このまえ遅かったのも、多分ペースメーカーとして走ってただけだと思う。)
エリカ:
(歌川さんの自己ベストは16:01だけど、随分と古い記録みたいね。
一応直近だと去年、記録会で17:25で走ってるから、出場資格はあるみたいだけど……、私の知ってる姿からは想像もつかないくらい遅い。
どこかをケガしてると見て、まず間違いないわ。)
(そして、3年生は居なくて、2年生が三人。
池田朝姫。
静岡・掛川商業出身。
自己ベスト16:07。
小泉柚希。
京都・白桃女子学園出身。
自己ベスト16:14。
二神心枝。
長野・佐久東高校出身。
自己ベスト16:56。
)
(1年生は、安藤ヘレナ。この間、ペースメーカーをしていた子ね。
それにこの子は、関東高校駅伝でなんとなく見覚えがある。
神奈川のソレイユ国際高校出身。
3千の自己ベストが9:13。
今年の1年生全体で見ると、ウチの伊織に次いで二番目のタイムで入学してる。
これだけのタイムがあればウチのスカウトも一度は声をかけているはずだけど。
部員数ギリギリのアイリスを選んだのだから、不思議だわ。
まあ、それはさておき、このチームで注目のルーキーと言ったら、普通はこの子のことになるわよね。
けどアイリスにはもう1人、いる……)
カチッ。カチッカチッ。
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はい!