【パ障3】もし妄想性パーソナリティの人がTRPGをしたら?
文字数 1,909文字
ICD-10に基づいた厚生労働省の分類で最初に出てくるのが妄想性パーソナリティ障害だから、まずこれに取り掛かってみましょう。
えーと、分類によれば……読みやすいように改行入れますね。
「この人格障害は,邪魔されることに対して極めて敏感で,侮辱を容認しないこと;
疑い深くて他人の中立的又は友好的な行為も敵意があるか軽蔑しているものと受けとるという歪曲した経験をする傾向;
配偶者又は性的パートナーの貞操に関して繰り返される正当でない疑い;及び
個人的な権利に固執して闘争的になるセンス
を特徴とする。
過度の尊大におちいりやすい傾向があり,しばしば極端な自己関係づけが見られる。」
こちらの論文に「自分に向けられたのではないかもしれない出来事に対して、自分がその出来事の対象ないし被害者であると過剰判断する自己関係づけ」という説明があったわ。つまり例えば……すれ違った人から舌打ちのような音が聞こえたのに対して、自分が非難されているのだと思い込んだりするような考え方ね。
そうした、他人の何気ない言動や、単なる偶然のようなことでも、自分に対して悪意の攻撃が向けられているのだと解釈してしまう心の癖が、妄想性パーソナリティというわけね。
さて、自分は世の中から攻撃されている、と思い込んだ人は、何をしようとするかしら?
最初に確認した分類でも、「個人的な権利に固執して闘争的になる」とか「過度の尊大におちいりやすい傾向」とかあるものね。
精神科医の岡田尊司はこう表している。「彼らは人との信頼関係や愛情を信じられないため、人を権力や力で支配しようとする」
それが他人を侮蔑する行動につながる。でも認識としては、「自分こそが侮蔑されている被害者なのだ」となってしまうわけね。
あと、岡田が指摘している妄想性パーソナリティ障害の特徴がもう一つあるの。「過度な秘密主義」がそれで、要するに、自分に関する質問に素直に答えようとしない傾向ね。
その点についてはテキストにしている岡田尊司「パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか」を読んでもらいたいんだけど、かいつまんで言うと、
・深い関係にならないこと
・真向から対立しないこと
といったところね。特に相手がこだわっていることについて否定を表明するのは危険とされているから、避けなければいけない。