翼をください

文字数 7,405文字

(なんなりと望みを申すが良い、必ず叶えてつかわそう……)
(あなたは?……)
(ワシか? ワシは神様じゃよ)
(自分で『様』って……)
(いや、お前たち人間はそう呼ぶじゃろ?)
(英語だとGODで呼び捨てだと思うんですけど)
(呼び捨てとは違うぞ、Dr.とかPrf.と同じでそれ自体尊称なんじゃ)
(あ、そうか……だったら日本人がおかしいんですね、尊称を重ねちゃうんだから……じゃぁ、神)
(う~ん、日本語でそう呼ばれるとなんとなく違和感を感じるが……そうそう、望みを一つだけ言え、なんなりと叶えてつかわすぞ)
(そんなこと急に言われても……)
(あのな、ワシも忙しい体なんじゃよ、さっさと決めてくれんか)
(えっと……じゃあ……翼をください、大空に翼を広げて飛んで行きたいんです、悲しみのない自由な空へ)
(なんだか聞いた様な台詞じゃな……わかった、望み通りお前に翼を授けよう……)

▽    ▽    ▽    ▽    ▽    ▽    ▽    ▽

 つい1時間ほど前の事だ。
 ごく普通の高校生、大川俊彦は子供が道路に飛び出す場面に遭遇した、急ブレーキのけたたましい音、トラックが子供に迫っていたのだ。
 考える間もなく俊彦は道路に飛び出し、子供を懐に抱えて転がった。
 そして、トラックとの接触かろうじて避けられたものの俊彦はアスファルトに頭を打ち付けて気を失ってしまったのだ。

「俊彦は、俊彦は大丈夫なんですか!?」
 報せを受けて病院に駆けつけた母親が息を弾ませながら医師にとりすがる。
「落ち着いて下さい、ご心配には及びません、検査の結果異常は認められませんでした、外傷はありますが傷跡が残るようなこともないでしょう」
「ああ……良かった……俊彦に会えますか?」
「ええ、もちろんです……わぁっ!」
「え? 俊彦に何か? ああああっ!」
「ああ、母さん、どうしたの? そんなに驚いて……わぁっ! 何だ! これは!!」

 俊彦の肩から先、腕があるべき部分は白い大きな翼に変わっていた……。

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

(神様! 神様!)
 その晩、俊彦は必死に神に呼びかけた、指を組めないのがもどかしいが……すると……。
(そうじゃ、素直にそう呼んでくれれば良いんじゃよ……ワシの贈り物は気に入ったかの?)
(冗談じゃない、僕の腕はどこに行ったんですか!)
(翼に変えたんじゃよ……それが何か?)
(それが何か? じゃないですよ、腕がないと暮らしていけないじゃないですか)
(鳥にはみんな腕はないが?……)
(な……僕は人間ですよ、これから先、鳥として生きて行けとでも?)
(そう言う望みじゃなかったのか? 悲しみのない自由な空へ飛んで行きたいとかなんとか)
(いや、僕のイメージとしてはですね、腕はこれまでどおりちゃんとあって、それとは別に背中に羽が生えていて飛べると言う……)
(ああ、それは無理じゃな、翼をはためかせて飛ぶには少なくとも厚み50センチの大胸筋が必要じゃからな、背中に羽がついていても飛べるわけがなかろう?)
(だ、だけど天使は飛んでるじゃないですか)
(あれは羽ばたいて飛んでるわけではないんじゃよ、天使もワシと同じで実体があるような無いようなものじゃからな……)
(じゃあ、翼なんていらないじゃないですか)
(そうじゃな、まあ飾りみたいなもんじゃよ、翼があった方が天使らしいじゃろ? 神との区別も付けやすいしのぉ)
(そんなぁ……お願いしますよぅ、元に戻して下さい)
(いやぁ……もう望みを一つ叶えてしもうたからなぁ……)
(お願いですよ、望みは取り下げますから)
(それを聞き入れるとなると願いを二つ叶えることになるなぁ……ワシは構わんが、神仲間には結構口うるさいのもおるんじゃよ、過剰な褒賞を与えたとか何とか……まあ、諦めてくれ)
(そんな! 困りますよ! あ、神様が消える……待って! 逃げるな~! おい、こら、神! 腕ドロボ~!)
(人聞きの悪い……まあ、そのうち慣れるじゃろうて)
(わあ~っ! そんな~っ! 消えるな~!)

 と言うわけで、その日から大川俊彦は鳥人間として暮らして行くことになった。

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

 腕が、と言うよりも手がないと生活上困る事は沢山ある。
 鳥と同じ翼にも人間の肘、手首に当る関節はある、指の骨だって三本はあるのだ、しかし人間の親指に当る指は手首の根元に、そして後の二本とはかなり離れている、しかも指そのものには関節がない、つまり、物を掴むという動作はほぼ絶望的なのだ。
 食事は何とかなる、親指の骨にスプーンをくくりつけてもらえば、かろうじて食べ物を口元に持って行く事は出来る、飲み物は挟むようにしてコップを持って……しかし、翼は腕だった時のおおむね二倍の長さ、口元に持って行くにはかなり苦労する、同時に口からも迎えにいってなんとかなると言うところ、とてもじゃないが熱い飲み物など恐ろしくて手が出せない。
 それ以上に厄介なのが文字だ、手首だってそんなに微妙な動きは出来ないからB5のノートに六文字書くのがやっと、しかも羽は水を弾くようにつるつるしているからページをめくることもできない、つまりは筆談もままならない。
 スマホやPCの操作も絶望的、そもそも画面タッチでは反応してくれないし、柔らかい羽の先ではキーボードを叩けない……音声で操作する方法がないわけではないが、それで出来ることには限りがある。
 着替えも困難を極める、翼が通る袖の洋服などあるはずもない、和服だって通らないのだから……幸い羽毛に覆われた翼は寒さを感じないが、俊彦は両脇をファスナーで止める特注品しか着ることができない、しかもファスナーの開け閉めは自分では出来ないのだ。
 それと……食事中の方には申し訳ないが、トイレも一苦労だ。
 まずファスナーの開け閉めは出来ない、それは腰ゴムのズボンで何とか対応するとして……拭けない……ウォシュレットのありがたさが身に沁みる、もしなかったら、と思うと恐ろしさに身震いするレベルだ。
 結局入院は一ヶ月に及んだ。
 脳震盪と外傷そのものは大した事はなく、一週間もすれば退院できたのだが、鳥人間として生活できるように慣れるのに時間がかかったのだ。
 
∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

「うおっ! 大川、お前鳥人間になったって本当だったんだな!」
「翼を良く見せてくれよ……へぇ、立派なもんだな」
「羽、一枚貰っても良いか? 羽ペンにするんだ」
 まるで見世物扱いだ。
 それだけじゃない、学校と言う集団生活の場では病院では問題にならなかったことも色々と出て来た。
 
「先生! 大川君の肘が邪魔です」
「先生! 大川君の翼が邪魔になって黒板が見えません」
 それもそのはず、俊彦の翼は広げると四メートル、翼にも肘と手首に当る関節はあるので折りたたむ事は出来るが、動かせる状態では最低でも二メートル、それ以下にしたいと思ったら完全にたたんで背中に背負うしかない。

「なあ、悪いんだけどさ、弁当箱開けてくれねぇ?」
 母親や看護婦さんなら言わないでもしてくれていた事をいちいち頼まなくてはならない。

「悪い、ノートのコピーとってくれないか?」
 手首に付いた親指にくくりつけたシャーペンでの筆記は、とてもじゃないが授業に追いつかない。
 その上、ページがめくれないからコピーも取れないのだ。
 体育の授業もまた問題だった、着替えは友達に手伝ってもらうにせよ、人間の体は腕を振れないとバランスが取り難い、走るにしても翼を広げれば空気抵抗が半端ではないから、全ての運動は腕を後ろに組んでしているようなものなのだ。
 プールはもっと悲惨だ、四メートルの翼に受ける水の抵抗をどうしろと言うのだ、俊彦がプールに入った様はどう見ても鳥の水浴びだ。
 そして、学校側の配慮で一基だけウォシュレットが設置されたものの、身障者用の広いトイレでなければブースに入ることもかなり難しく、何とか翼をねじ込んでもドアの開け閉めは友達に頼むほかない……。
 
 ロマンチズムに酔った浅はかな望みだったとは言え、子供一人の命を救った褒賞がこれでは……。
 俊彦にとっては災難以外の何物でもない。

 しかし、必ずしも悪いことばかりでもなかった。
 とにかく目立つ、それだけは折り紙つきだ。
 それまでは存在感がイマイチ薄かった俊彦だが、今や学校中誰一人として俊彦を知らない者はいない。
 これまでは見向きもしてくれなかった女子も寄って来た……まあ、もの珍しさに釣られてだが……。
「翼に触ってみてもいい?」
 女子にそう訊かれれば断る理由はない、すると必ず帰って来るのが、「わ~、スベスベ、気持ち良い~」と言う反応、それに悪い気がするはずも無い。
 そして冬になり寒くなって来ると、「大川君、翼で包んで~、暖めてよ」 などと言い出す女子も……。
 しかも、年中大きな空気抵抗に晒されているので、大胸筋はかなり発達して来ている、厚さ50センチにはまだまだ及ばないものの、そこらのボディビルダー顔負けの筋肉になっている。
 逞しい大胸筋と暖かくスベスベの翼……『大川君のハグ』は今や女子の憧れだ。

 そして……。
 木枯らしの吹く寒い日、「大川君、翼で風を遮ってくれる?」と取り囲まれて、翼を広げた時、ふと体が浮く感覚を覚えた……いや、実際十センチほどだが体は確かに浮いた。
(これは、もしかして……)
 風に向けて翼を広げる練習をしていると、風を捉える感覚を徐々に憶えて来た。
 そして……ついに舞い上がることに成功したのだ。
 まだ羽ばたきの力で飛ぶ事は出来ない、しかし風に対して羽の角度を調整することで体を浮かせる事は出来るようになったのだ。
 そうなれば今度は滑空だ。
 まずは朝礼台の上から、次は二階の窓、三階の窓からと練習を積み、そこそこの距離を飛ぶことが出来るようになった。
 それは最高の経験だった……。
 俊彦は、人類史上初めて自力で飛べる、文字通りの鳥人間になったのだ。

 ハンググライダーでも飛べる?
 確かに飛べる、まがりなりにも……。
 しかし、俊彦の翼はナイロンの布などではない、自前の翼なのだ、微調整が出来る事はハンググライダーの比ではなく、風さえ吹けばどこまででも舞い上がることが出来るし、滑空速度も自在だからピンポイントで着地地点を選べる、ここまで空を制した人間はいまだかつていなかった。

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

「大川君! やめるんだ! 早くそこから降りてきなさい!」
「大丈夫ですよ、先生」
「翼があるからと言って飛べるとは限らん!」
「滑空できるようになったんですよ」
「いや、それでもダメだ、君に何かあってみろ、学校は責任を問われて私は職を失う!」
 俊彦は四階建て校舎の屋上に立っているのだ。
「飛~べ! 飛~べ! 飛~べ! 飛~べ! 飛~べ! 飛~べ!」
 校庭では生徒達がやんやと囃し立てているが、教師達、とりわけ校長は真っ青な顔をしている。
 そんな中、俊彦は思い切り良く空中に身を躍らせた。
「ウワ~~~!!!!」
「ヒェ~~~!!!!」
 生徒の歓声と校長の悲鳴が交差する中、俊彦は翼を広げて落下スピードで起こる風を捉えた。
「スゲ~~~!!!」
「ヤッタ~~~!!!」
 生徒の歓声に校長がおそるおそる顔を上げてみると……。
 俊彦は大空を舞っていた。
 旋回し、急降下してスピードをつけるとまた舞い上がり、まだ補助的にだが羽ばたいて高度を上げ、右に左に自由自在に飛びまわる。
 悲しみのない自由な空を……。

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

 生徒がスマホで撮影したその動画がネットに流れた途端、俊彦の生活は一変した。
 芸能プロダクションが殺到したのだ。
 なにしろ世界で一人、本物の鳥人間なのだから。
 まずはCM出演。
「翼のないあなたに……○○生命」
 航空会社より早く飛びついたのは生命保険会社、校舎の屋上から落ちた俊彦が、地面の寸前でさっと翼を広げて舞い上がる映像と共にそんなナレーションを流した。
 J○Lと○N○は札束を積む争奪戦を繰り広げ、製薬会社のCMでは顔のアップと台詞まで与えられた……「風を捉えるのは気持良いけど、風邪は引きたくないよね」
  
 そしてTV出演のオファーも飛び込んで来た。
「トドメだ、覚悟しろ! 食らえ、バードアタック!」
 俊彦は真っ赤なボディスーツを身にまとい嘴をつけたヘルメットをかぶって悪の秘密結社が次々と繰り出す怪人を蹴散らした。
 中国からの映画出演のオファー、役どころは孫悟空と飛び比べをする鳥妖怪の役、映画はシリーズ化され、孫悟空に敗れて心を入れ替えた鳥妖怪は三蔵法師と旅を続けることになった。
 ハリウッドからもオファーが届いた、アベンジャーズの新メンバーとして。
 香港映画界からは『鳥拳』のシナリオが届けられ、フランス映画界からはシリアスな役の提案があった、なんでも地上に落ちてきた天使の愛と苦悩を描く映画だという。

 一躍世界にその名を轟かせた俊彦、だが、その人気は長くは続かなかった。
 何しろ腕がないのだから飛ぶシーン以外には見せ場が乏しい、ルックスも十人並みだし俊彦に演技の経験はなく、その天分もなかったようだ……。
 その結果、一年後にはヒーローに倒される怪人の役を演じていた。

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

「オイ、はばたくだけじゃ飛び立てないのかよ、子供向け番組だからって適当にやってもらっちゃ困るんだよなぁ」
 一年前には下にも置かない態度で接して来ていたディレクターがあからさまに舌打ちする。
「なんとかやってみます」
「頼むぜオイ……ヨーイ、アクション!」
 俊彦は力の限り羽ばたいた、すると……なんとか身体が浮く。
 鳥人間になって二年ほどになる、しかもこの一年は飛んでばかりいた、いつの間にか羽ばたきだけで飛べる筋力がついていたのだ、それこそ必死の思いで羽ばたかなければならないが……。
「よ~し! いいぞ! もっとガンバレ!」
 地上ではディレクターがメガホンを振って叫んでいる。
(他人事だと思って……)
 そう思いながらも歯を食いしばって羽ばたき、10メートルほども舞い上がったところで……。
 俊彦の目に飛び込んで来たのは、濁流に揉まれて今にも溺れそうな男の子の姿。
 ここ数日の豪雨で川は増水し濁流となっている、あの子は何かの間違いで落ちてしまったのだろう、なんとか木の枝に掴まっているものの力尽きてしまうのは時間の問題だ。
 考える間もなく、俊彦は川に向かって滑空していた。

「ボクッ! 大丈夫か? 尻尾に掴まれ!」
 普段の数倍にもなっている川のほぼ真ん中、そこまでは滑空で行けるが、男の子を救うには羽ばたいて空中静止しなければならない。
 俊彦は必死で羽ばたきながら怪人の着ぐるみから垂れ下がる尻尾を男の子に差し出した、すると男の子はなんとかそれにしがみつく。
「よし! 腕に巻きつけて……そうだ、絶対に離すんじゃないぞ! うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 飛び上がる時に既にかなり体力を消耗し、空中静止で更に筋肉を酷使し、その上今度は男の子の体重まで加わっている。
 しかし、なんとしても岸まで飛ばなければ……男の子の命だけではない、この濁流に落ちれば大きな翼を持つ自分も水の勢いに抵抗できる筈もない。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 必死に岸まで飛んだ俊彦、男の子の足が無事に地面に着いたのを見届けると……。
 バサッ、ゴツン!
 地上2メートルほどの所からだが、力尽きた俊彦は落下して護岸のコンクリートブロックに頭を打ち付けて気絶した……。

 ∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

(よっ、久しぶりじゃな)
(あ……あなたは……神!)
(……日本語ならやっぱり様をつけてもらいたいもんじゃな……また子供を助けたそうじゃな)
(ええ、まぁ、夢中で……)
(お前さんがそこまで飛べるようになるとは思わなかったわ)
(…………そう思わないのに翼をつけたんですか?)
(お前さんの望みじゃったろうが……で、今度はどうするんじゃ?)
(また望みを叶えてくれるんですか?)
(まぁ、身に沁みて知っとる知っとるじゃろうが、一つだけじゃよ)
(ならば俺の望みは決まってるじゃないですか、腕を下さい……悲しみに満ちた、不自由な、それでも愛すべき人間社会で生きて行くために)
(まるで替え歌じゃな……じゃが、お前さん、その胸を見てみろ、厚み50センチの大胸筋じゃぞ? 並みの腕ではつりあわんわ)
(じゃぁ、うんと太くて逞しい腕を下さいよ、どうせならそっちの方が良いし)
(わかった……後で文句は言うんじゃないぞ)
(え? それってどういう意味……あ、待って、神様、神様~!)

∧( ‘Θ’ )∧  ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧ ∧( ‘Θ’ )∧

「と……俊彦! どうしたの? その腕は!」
「え?」
 見ると、翼はなくなっていて、確かに太くて逞しい腕がついている……。
 だが……。
「俊彦……それじゃまるで……」
 さすがに母親、その先の言葉は飲み込んだが、俊彦には想像がついた。
 太くて逞しく、その太さに見合う長い腕……厚さ50センチの大胸筋とも相まって……。
 俊彦はおそるおそる病室の鏡を見た……やっぱり……。
 鏡に映ったその姿はまるで……。
「ウホウホウホ~」
俊彦はヤケクソで自分の胸を叩いた。

                終
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