第7話
文字数 1,778文字
「さて、何食べる?好きな味は?」
永嗣は楓花にお品書きを見せた
「どれも気になる…私優柔不断で…」
と悩んでいると
「ここのおススメはチャーシューで、人気があるのは味噌かな?」
永嗣のおススメを聞き、楓花は味噌チャーシューを頼んだ
「おれはいつものね」
「あいよ!」
普段見ない大きな(中華)包丁にフライパン、火力がとても強く、熱を十分通した油の香ばしい香り、それで炒められた野菜から弾けるような音が響く
視覚・聴覚・嗅覚を刺激され、さっきポップコーンを食べたのを忘れるくらい食欲が増進した
横で女将も器を温めたり、麺を湯がいたり、店主が湯切りした麺を食べやすいように箸でほぐし、具材の見栄えを良くしたりメンマ・ネギ・チャーシューなどを手際よくトッピングした
「お待ちどうさんっ」
カウンターからラーメンを受け取り、じっくり見て感激していたのを隣で笑顔を浮かびながら
「食べてみなよ」
と言われ、まずレンゲでスープを飲んでみた。熱いスープは味がしっかりしているけどくどくなく、食材を活かした味になっていた
そして麺をすするとつるんと弾力があり、噛み応えもしっかりしていて味も絡んでいた
チャーシューに箸を伸ばすと、ほろほろっとした感覚があり、口の中に入れるととろけてしまった感じだった
「おいしい!」
楓花が喜んでいるのを見て、永嗣や店主、女将をはじめ、店にいた数人の客が笑顔になった
「はい、いつもの」
感動していたのもつかの間、永嗣のところに運ばれてきたラーメンを見て驚く楓花。器や中身の量が楓花のラーメンの倍以上ある
「…え、こんなに…?どれくらいあるの…?」
「3人分の特盛ラーメン。これくらい食べないとな」
と永嗣は割り箸を割って、勢いよく食べ始めた
「太らないの?」
「ああ、胃下垂なのかもしれないな」
呆れはしたが、永嗣に負けじと楓花もラーメンを食べていた
「嬉しいなぁ、永ちゃんが彼女とこんなところに来てくれるなんて」
「こんなんじゃねーよ。一番に思いついたところだ」
「そっか…てっきり永ちゃんは高級料亭に連れていくかと…」
店主がそういった瞬間、永嗣は鋭い目で店主を睨んだ
「…いや、うちを選んで嬉しいよ」
楓花はラーメンを食べてたので、このやり取りを普通に聞いていた。永嗣の表情が変わったことも知る由もなかった
楓花は汁まで全部飲み干した。それを見て
「…大丈夫か?何だかんだ言っても塩分とか高いんだから、無理しちゃだめだぞ」
永嗣は心配そうな顔をしたが、楓花は笑顔で
「大丈夫、こういう時くらいはおいしいものをお腹いっぱい食べたいから…美味しかったです、ごちそうさまでした」
と、店主と女将にお辞儀をした
「嬉しいよ、完食してもらえると作り甲斐があるからね、また来てね」
女将は優しい笑顔で楓花にガムを渡した
「ありがとうございます」
「じゃあおやっさん、女将さん、また来るから。行こうか」
店主は厨房から手を振り、女将は玄関先まで見送った
「とっても美味しかった、ごちそうさまでした」
「気に入ってもらえて良かったよ、内心ビクビクしてたから。女の子はおしゃれなところがいいのかなって…でもそういう場所は逆におれが目立って楓花に嫌な思いさせると思ったから」
すると楓花は笑顔で
「永嗣の普段の姿とか見られるのが嬉しい。おやっさんと女将さんとってもいい人だったし。…あんな夫婦になりたいな…」
と、余韻に浸っていた
「おれもだ。楓花ならいいお嫁さんになれるんじゃないか?」
「そうかなぁ?」
永嗣は優しい笑顔を見せ
「なれるさ、保証する」
といい、前を向いた
先ほど同様、楓花は何故か寂しい感情を抱いた
でもそれは一瞬で消えた
「永嗣、お腹大丈夫?」
そう聞くと永嗣は
「全然、7分目くらい、ちょうどいい具合かな?」
とお腹をポンポン叩いたのを見て、楓花はクスクスと笑った
そしてあることを閃いた
「永嗣の働いているところに行きたい」
楓花の思いもよらない発言に永嗣は目を丸くして驚いた
永嗣は楓花にお品書きを見せた
「どれも気になる…私優柔不断で…」
と悩んでいると
「ここのおススメはチャーシューで、人気があるのは味噌かな?」
永嗣のおススメを聞き、楓花は味噌チャーシューを頼んだ
「おれはいつものね」
「あいよ!」
普段見ない大きな(中華)包丁にフライパン、火力がとても強く、熱を十分通した油の香ばしい香り、それで炒められた野菜から弾けるような音が響く
視覚・聴覚・嗅覚を刺激され、さっきポップコーンを食べたのを忘れるくらい食欲が増進した
横で女将も器を温めたり、麺を湯がいたり、店主が湯切りした麺を食べやすいように箸でほぐし、具材の見栄えを良くしたりメンマ・ネギ・チャーシューなどを手際よくトッピングした
「お待ちどうさんっ」
カウンターからラーメンを受け取り、じっくり見て感激していたのを隣で笑顔を浮かびながら
「食べてみなよ」
と言われ、まずレンゲでスープを飲んでみた。熱いスープは味がしっかりしているけどくどくなく、食材を活かした味になっていた
そして麺をすするとつるんと弾力があり、噛み応えもしっかりしていて味も絡んでいた
チャーシューに箸を伸ばすと、ほろほろっとした感覚があり、口の中に入れるととろけてしまった感じだった
「おいしい!」
楓花が喜んでいるのを見て、永嗣や店主、女将をはじめ、店にいた数人の客が笑顔になった
「はい、いつもの」
感動していたのもつかの間、永嗣のところに運ばれてきたラーメンを見て驚く楓花。器や中身の量が楓花のラーメンの倍以上ある
「…え、こんなに…?どれくらいあるの…?」
「3人分の特盛ラーメン。これくらい食べないとな」
と永嗣は割り箸を割って、勢いよく食べ始めた
「太らないの?」
「ああ、胃下垂なのかもしれないな」
呆れはしたが、永嗣に負けじと楓花もラーメンを食べていた
「嬉しいなぁ、永ちゃんが彼女とこんなところに来てくれるなんて」
「こんなんじゃねーよ。一番に思いついたところだ」
「そっか…てっきり永ちゃんは高級料亭に連れていくかと…」
店主がそういった瞬間、永嗣は鋭い目で店主を睨んだ
「…いや、うちを選んで嬉しいよ」
楓花はラーメンを食べてたので、このやり取りを普通に聞いていた。永嗣の表情が変わったことも知る由もなかった
楓花は汁まで全部飲み干した。それを見て
「…大丈夫か?何だかんだ言っても塩分とか高いんだから、無理しちゃだめだぞ」
永嗣は心配そうな顔をしたが、楓花は笑顔で
「大丈夫、こういう時くらいはおいしいものをお腹いっぱい食べたいから…美味しかったです、ごちそうさまでした」
と、店主と女将にお辞儀をした
「嬉しいよ、完食してもらえると作り甲斐があるからね、また来てね」
女将は優しい笑顔で楓花にガムを渡した
「ありがとうございます」
「じゃあおやっさん、女将さん、また来るから。行こうか」
店主は厨房から手を振り、女将は玄関先まで見送った
「とっても美味しかった、ごちそうさまでした」
「気に入ってもらえて良かったよ、内心ビクビクしてたから。女の子はおしゃれなところがいいのかなって…でもそういう場所は逆におれが目立って楓花に嫌な思いさせると思ったから」
すると楓花は笑顔で
「永嗣の普段の姿とか見られるのが嬉しい。おやっさんと女将さんとってもいい人だったし。…あんな夫婦になりたいな…」
と、余韻に浸っていた
「おれもだ。楓花ならいいお嫁さんになれるんじゃないか?」
「そうかなぁ?」
永嗣は優しい笑顔を見せ
「なれるさ、保証する」
といい、前を向いた
先ほど同様、楓花は何故か寂しい感情を抱いた
でもそれは一瞬で消えた
「永嗣、お腹大丈夫?」
そう聞くと永嗣は
「全然、7分目くらい、ちょうどいい具合かな?」
とお腹をポンポン叩いたのを見て、楓花はクスクスと笑った
そしてあることを閃いた
「永嗣の働いているところに行きたい」
楓花の思いもよらない発言に永嗣は目を丸くして驚いた