13:幽霊になる呪い

エピソード文字数 443文字



 その翌日。

 案の定、僕がいきなり一人で教室を飛び出したことになっていて、担任から怒られた。


 昼休み。

 僕とトウカは教室を抜け出し、屋上へ通じる階段で弁当を食べた。屋上には鍵がかかっているので、手前の階段に座り込んだのだ。
次はどんな作戦を実行しようか
 僕は母の焼いた卵焼きを頬張りながら、言った。
もういいですよ。私のことは、諦めてください
なに言ってるんだ。腹立つじゃないか。こんな理不尽!


 僕はわからなかった。

 トウカが可哀想で怒っているのか、理不尽という現実そのものに腹が立っているのか、ただトウカと一緒になにかをしたいだけなのか。わからなくなっていた。

理不尽、でしょうか
理不尽でしょ
私はそう思いません
どうして……
……


 トウカは僕を見て、下を見て、胸のあたりをぎゅっと掴んで、それから答えた。



当然の報い、かかるべくしてかかった、幽霊になる呪いなんだと思います
 トウカはうつむいたまま、答えた。
呪い? 一体なんだって言うんだ
……
 トウカはぎゅっと箸を握りしめる。
……
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登場人物紹介

日高コウジ 中2 13歳




 小6の夏。遊びに出かけた矢先の交通事故の後遺症で、前向性健忘症になり記憶が24時間しかもたない。左腕の感覚がない。その事故で、一個下の妹をなくしている。自分が遊びに連れ出さなければ、妹は死ななかった。そう、自分を責めている。




「覚えているわけじゃないんだ。ただ、昨日の僕が君のことを書いていたから」



桜宮トウカ 中2 13歳




 24時間で相手の記憶から存在が消える。心に傷をおっているコウジたちだけは、彼女のことを覚えていられる。夜道で変質者に襲われ、暴れ、逃げ込んだ森で犯されそうになったところを近くの石で殴った。結果、殺してしまった。

 正当防衛であること、まだ未成年であることからあまり大事にはされなかったが、その事件がきっかけで、人の記憶から忘れられるようになった。記憶だけではなく、あらゆる記録、映像も消えてしまう

 事件の日、犯人の血を浴びた地蔵の呪いだと思っている。




「私は誰からも必要とされていない、幽霊なんです」




犬塚サキ 中2 13歳


 両親からの虐待の影響で、喋れなくなった。いつも左手にパペットをはめていて、パペットを通して演技する時のみ話すことができる。現在は親戚の家に引き取られている。いつも無表情。

『ボクは妖精の国から来た猫、キャットシーだゾ』

美森ハヤト 中2 13歳




 泥棒に姉を目の前で殺されている。犯人は警官に射殺された。そのトラウマから、自分を「世界征服を目論む組織から逃走した、選ばれし契約者」だと思い込んでいる。姉が殺されたのは組織のせいであり、それがきっかけで自分は逃げ出し組織に復讐を誓ったという設定に逃げ込み、なにも出来ず姉の死を見送ったという現実から、目をそらしている




「いいだろう! 貴様の計画に乗ってやる! この白滅の魔術師ホワイトヴァイス様に感謝するがいい!」



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