旦那が好きすぎる私は今日も旦那のパンツを履く

文字数 1,005文字

百度ここ愛 様作

【あらすじ】
希死念慮を抱えている私と出会った旦那。いつも優しく、いつも支えてくれた。そんな旦那のために生きようとは思うけれど、辛いことは絶えない。なんとか今日を乗り切るために、私は今日も旦那のパンツを履く。
(そのまま引用)

【補足】
希死念慮とは、死にたいと願うこと。
疾病や人間関係などの理由があって逃避したい気持ちによるもの「自殺願望」
具体的な理由はないが漠然と死を願う状態を「希死念慮」と使い分けることがある。
(goo調べ)

書き出し一行はこちら
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希死念慮、そんなものが心の隅っこに鎮座するようになったのはいつだったか。
(引用)
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タイトルは、結果を表していると考えられる。この物語は、補足を踏まえると”漠然と死にたい”と願う主人公は、夫に必要とされていることを感じ、彼の為に生きるには、愛する人のものを身に着けているという事なのだろう。とするならば、愛する夫を常に身近に感じていることにより、死を遠ざけようと必死であると考えられる。
つまり、この物語は闘病記のような壮絶な物語であることが想像できる。夫のパンツがまるでお守りの様であり、主人公を現世に繋いでいる。想像しただけで、涙の出てくる物語だ。そんな主人公を夫はいつも優しく支えてくれてはいるが、彼からしたら”いついなくなってしまうのか”と、気が気ではないだろう。理由もなく死を願うという事は、解決も出来ないという事。自分の最愛の人を病気でも他人からのストレスからでもなく、彼女自身が奪ってしまったなら。やり場のない悲しみに打ちひしがれるに違いない。
書き出し一行を見て見ると、きっかけを回想するところから始まっている。このモノローグで始まる書き出しと言うのは、共感性やリンク(同調)に関わってくる効果を持っており、ゆっくりと読み手を物語に引き込んでいく手法だ。気づけば読み手は主人公の気持ちになって読み進めているという事である。
恐らくこの文に続くのは、きっかけかも知れない出来事。思い出せない可能性も捨てきれないが。
現代社会はストレスだらけだ。彼女のように漠然と死を願うことが、他人事ではない。彼女はどうやって、その事に、向き合い生きようとしたのか。是非、お手に取って読まれてみて欲しい。
生きたいのに、生きなきゃいけないのに。そういう気持を持ってしまうことがどんなに辛いものなのか。きっとここには、涙無しに語ることのできない物語があります。
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