第6話
文字数 575文字
すると、光の中から白い霧のようなものが出てきた。霧は、黒一色だった世界を白くぼやかしながら、這うように進んでくる。
「うわわっ」
慌てて足をバタつかせた。まるで、白い無数の蜘蛛の子が這い登ってくるような気がした。
足下の霧を払いながら、ついに光の中へ足を踏み入れた。
そこはまるで、地下に作った巨大なドーム空間のようだった。光源がないにも関わらず、なぜかぼんやりとした光に包まれている。
ゴウウウウと不気味な音を立てるものの正体が、そこにあった。
首だ。大きな首が浮いている。体はない。
首は生々しかった。控え目にみても健の顔の三倍ほどの大きさのあるその首は、赤黒く、顔中に深い皺が刻まれている。髪と髭はぼうぼうに伸びていて、長い眉の下の瞼は、閉じていた。
にも関わらず、そこから激しい思念の波が押し寄せてくるようだった。
首からは、何かとてつもないパワーが発せられていた。
「わあああああっっっ」叫びが喉から迸(ほとばし)った。
その声が首を呼び覚ましたかのように、瞼がゆっくりと開き出した。首から発せられるパワーがぐんと増したのがわかった。
「うわああああああっ」
どこをどう走ったのか、わからない。気がついたら自分の部屋にいた。はっと外を見ると、すでに真っ暗だった。
無事に帰ってきたんだという実感でどっと力が抜けた。そのまま布団の上に倒れこんだ。
「うわわっ」
慌てて足をバタつかせた。まるで、白い無数の蜘蛛の子が這い登ってくるような気がした。
足下の霧を払いながら、ついに光の中へ足を踏み入れた。
そこはまるで、地下に作った巨大なドーム空間のようだった。光源がないにも関わらず、なぜかぼんやりとした光に包まれている。
ゴウウウウと不気味な音を立てるものの正体が、そこにあった。
首だ。大きな首が浮いている。体はない。
首は生々しかった。控え目にみても健の顔の三倍ほどの大きさのあるその首は、赤黒く、顔中に深い皺が刻まれている。髪と髭はぼうぼうに伸びていて、長い眉の下の瞼は、閉じていた。
にも関わらず、そこから激しい思念の波が押し寄せてくるようだった。
首からは、何かとてつもないパワーが発せられていた。
「わあああああっっっ」叫びが喉から迸(ほとばし)った。
その声が首を呼び覚ましたかのように、瞼がゆっくりと開き出した。首から発せられるパワーがぐんと増したのがわかった。
「うわああああああっ」
どこをどう走ったのか、わからない。気がついたら自分の部屋にいた。はっと外を見ると、すでに真っ暗だった。
無事に帰ってきたんだという実感でどっと力が抜けた。そのまま布団の上に倒れこんだ。