宇宙人
文字数 1,544文字
私は二階の部屋の窓から、山火事のような夕日を見ていた。
そこに、小さな黒い影がいくつも見えた。
カラスか何かの、鳥だろうと思った。
影はあっという間に大きくなり、私の町の上空で止まった。
影は鳥ではなく、宇宙船のようである。
五隻の宇宙船が、町の上空に浮かんでいる。
すると、カッパのような宇宙人が、何人もそれぞれの宇宙船から降りて来た。
降りてきた宇宙人は、それぞれが散らばっていった。
しばらくすると、家のインターフォンが鳴った。
家には私以外誰もいなかったため、私は階下に降りていきドアを開けた。
するとさっきの、カッパのような宇宙人が玄関に立っていた。
「アンケートに各家庭を回っています。回答してくれた人の中から、抽選で十名の方を宇宙旅行にご招待しますので、ご協力よろしくお願いします」
と宇宙人が丁寧に言った。
「どうぞ、何でもお答えします」
と私は快く引き受けた。
アンケートの内容は、
「地球は、住みやすいですか」
「地球が、好きですか」
「地球以外の惑星に、住みたいと思いますか」
「人間が住んでいる星が、地球以外にあるとすれば、住んでみたいですか」
というシンプルなもので、「はい」か「いいえ」に丸を付けるだけのものだった。
地球のことを知りたいのなら、もっと多くのことを聞けばいいのに、と私の方が思ってしまった。
最後に、
「宇宙人を、どう思いますか?」
と口頭で聞かれたので、
「カッパに似ている」
と言うと、
「カッパって、何ですか?」
と聞かれ、カッパについて詳しく教えてあげた。
暇だったので、宇宙人を連れて各家庭を案内してあげた。
行く先々で宇宙人は、カッパと間違われた。
「今日は時間になったので、アンケートはここまでにします。親切にしていただいて、とても助かりました」
宇宙人は、とても腰が低く感じがよかった。
高い所で待機していた宇宙船が急降下してきて、それぞれの宇宙船に、カッパに似た宇宙人達が乗り込んだ。
宇宙船は飛んできた西の空に、あっという間に消えてしまった。
アンケートは今日で終了だが、残り二日間、又違う任務で、別の宇宙人がやってくるとの話を、カッパに似た宇宙人から別れ際に聞いた。
次の日、又二階の窓から山火事のような夕日を見ていると、赤く染まった山の稜線に小さな影が発生し、あっという間に宇宙船が私の町の上空まで飛んできた。
今日の宇宙人は、昨日と違いタコに似ていた。
私は暇と興味本位から、タコ似の宇宙人の案内役を買って出たが、
「極秘任務なので、お断りする」
と不愛想なタコ似の宇宙人が、口をとがらして言う。
これだけ町中大騒ぎになっているのに、極秘任務もないものだと思ったが、タコ似の宇宙人は、怒らすとスミのような毒ガスでも吐きそうなので、それ以上言わなかった。
人間でも国によって性格に違いがあるように、宇宙人にも種類か何か知らないが、性格に違いがあるようだと思った。
次の日、又、茜色に染まる夕日を見ていると、宇宙船が飛んできた。
今日宇宙船から降りてきたのは、人間と瓜二つの宇宙人だった。
人間のような宇宙人は、降りてくると、いきなりピストルのようなもので、町を破壊し始めた。
形はピストルに似ているが、破壊力は全くというほどの違いがあり、一つの銃弾で山が砕けるほどだ。
昨夜からこの町に緊急配備していた自衛隊と、激しい攻防戦が繰り広げられたが、自衛隊はあっという間に負けてしまった。
僅かな宇宙船や宇宙人に、自衛隊は全く歯が立たなかった。
人間のような宇宙人は、戦後の焼け野原のようになった町を眺めて、満足そうな顔をし、宇宙船に乗り込んだ。
宇宙船は、西の空へ飛んで行った。
私はカッパ似の宇宙人に応えたアンケートの行方が、気になっている。
そこに、小さな黒い影がいくつも見えた。
カラスか何かの、鳥だろうと思った。
影はあっという間に大きくなり、私の町の上空で止まった。
影は鳥ではなく、宇宙船のようである。
五隻の宇宙船が、町の上空に浮かんでいる。
すると、カッパのような宇宙人が、何人もそれぞれの宇宙船から降りて来た。
降りてきた宇宙人は、それぞれが散らばっていった。
しばらくすると、家のインターフォンが鳴った。
家には私以外誰もいなかったため、私は階下に降りていきドアを開けた。
するとさっきの、カッパのような宇宙人が玄関に立っていた。
「アンケートに各家庭を回っています。回答してくれた人の中から、抽選で十名の方を宇宙旅行にご招待しますので、ご協力よろしくお願いします」
と宇宙人が丁寧に言った。
「どうぞ、何でもお答えします」
と私は快く引き受けた。
アンケートの内容は、
「地球は、住みやすいですか」
「地球が、好きですか」
「地球以外の惑星に、住みたいと思いますか」
「人間が住んでいる星が、地球以外にあるとすれば、住んでみたいですか」
というシンプルなもので、「はい」か「いいえ」に丸を付けるだけのものだった。
地球のことを知りたいのなら、もっと多くのことを聞けばいいのに、と私の方が思ってしまった。
最後に、
「宇宙人を、どう思いますか?」
と口頭で聞かれたので、
「カッパに似ている」
と言うと、
「カッパって、何ですか?」
と聞かれ、カッパについて詳しく教えてあげた。
暇だったので、宇宙人を連れて各家庭を案内してあげた。
行く先々で宇宙人は、カッパと間違われた。
「今日は時間になったので、アンケートはここまでにします。親切にしていただいて、とても助かりました」
宇宙人は、とても腰が低く感じがよかった。
高い所で待機していた宇宙船が急降下してきて、それぞれの宇宙船に、カッパに似た宇宙人達が乗り込んだ。
宇宙船は飛んできた西の空に、あっという間に消えてしまった。
アンケートは今日で終了だが、残り二日間、又違う任務で、別の宇宙人がやってくるとの話を、カッパに似た宇宙人から別れ際に聞いた。
次の日、又二階の窓から山火事のような夕日を見ていると、赤く染まった山の稜線に小さな影が発生し、あっという間に宇宙船が私の町の上空まで飛んできた。
今日の宇宙人は、昨日と違いタコに似ていた。
私は暇と興味本位から、タコ似の宇宙人の案内役を買って出たが、
「極秘任務なので、お断りする」
と不愛想なタコ似の宇宙人が、口をとがらして言う。
これだけ町中大騒ぎになっているのに、極秘任務もないものだと思ったが、タコ似の宇宙人は、怒らすとスミのような毒ガスでも吐きそうなので、それ以上言わなかった。
人間でも国によって性格に違いがあるように、宇宙人にも種類か何か知らないが、性格に違いがあるようだと思った。
次の日、又、茜色に染まる夕日を見ていると、宇宙船が飛んできた。
今日宇宙船から降りてきたのは、人間と瓜二つの宇宙人だった。
人間のような宇宙人は、降りてくると、いきなりピストルのようなもので、町を破壊し始めた。
形はピストルに似ているが、破壊力は全くというほどの違いがあり、一つの銃弾で山が砕けるほどだ。
昨夜からこの町に緊急配備していた自衛隊と、激しい攻防戦が繰り広げられたが、自衛隊はあっという間に負けてしまった。
僅かな宇宙船や宇宙人に、自衛隊は全く歯が立たなかった。
人間のような宇宙人は、戦後の焼け野原のようになった町を眺めて、満足そうな顔をし、宇宙船に乗り込んだ。
宇宙船は、西の空へ飛んで行った。
私はカッパ似の宇宙人に応えたアンケートの行方が、気になっている。
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