第23話:フンシャル花祭りと帰国

文字数 1,713文字

 今日は昨日と違ってピーターパンに現れる妖精のように羽をつけた女性の踊りから始まり、小さい娘と母の乗ったパレードカーや真っ赤なドレスに白と黒のストライプのスカートを着た美女周りながら踊り、大きな花の耳飾りを着けた衣装がとても美しかった。真っ白のドレスのバレー集団の踊りも目をひいた。

 ダンスも皆の息が合っていて、その衣装と相まって素晴らしく大きな海外からのツアーでは特別に階段状に大勢が一度に見られるような観覧席が作られていた様だ。特に子供達のうれしそうな楽しそうな踊りを見ていると、彼ら自身がパレードを楽しんでいる姿が観客のハートを掴むのだろうと勇三は考えた。

 観客もパレードをしている人達も皆が揃って祭りを楽しんでいる姿は素晴らしかった。これなら1度来たら、また来たいと思うのは頷けた。中には男女ペアのダンサーがプロ顔負けの素晴らしいダンスを披露して大きな拍手を受けていた。昼食をとりながらパレードを見てやがて16時半に一足早く会場を後にした。

 その後、ホテルに帰り精算してマディラ空港行きのバスに乗り19時に空港に着き21時発の飛行機にのり、リスボンに23時について、以前泊まった空港近くのホテルに入った。翌4月29日、朝、朝食をとり8時に精算を終えてタクシーでリスボン空港に着き英国航空の搭乗口へ行き、搭乗手続きを終えて11時出発し、ロンドン・ヒースロー空港行きの便に乗った。

 数時間後、到着し、成田空港行きの搭乗尾口に移動して、搭乗手続きをして、近くのカフェで待ち、成田行きの飛行機に乗り込んで飛び立った。その後、長時間のフライトの末、5月1日11時に成田空港に到着。勇三が車を駐車場に取りに行き13時半に田名の実家に帰ってきた。

 2010年5月7日、内田家の人と勇三の家族4人の6人で町田の有名な中華料理店に集合して予約していた個室で、昼食をとった。まず勇三が内田家の義理の両親にマディラワインとポートワインのお土産を渡した。そして昼食を食べてから多くの写真を静香さんのノートパソコンを使い1枚ずつ見せると内田の奥さんが食い入るように見ていた。

 フンシャル花祭りの所になると、うっとりと女性達の衣装をみて、きれいねと言い、私も見たいなーと言い始めた。ファドも素敵ねと言い、勇三に、近いうち一緒に連れて行ってと告げた。それに対し勇三の母も一緒に行きましょうと火に油を注ぐので困った。しかし、最後に、この話を聞いていた静香さんが、株で累計1億円儲けたから私が全員の旅費を出しますと言った。

 今回の旅行は現地の移動費を含めて1人35万円かかり6人で計算すると210万円だと言うと大丈夫よと言い切った。そして来年4月から5月にポルトガル旅行に行くことが決定。詳しい日程は勇三さんに、お任せしますと告げた。すると静香さんの母が、特にファドと、花祭りだけは外さないで下さいねと言った。

 それが決まると、静香さんの両親も安心したように、悪いな静香に出してもらうなんてと言いながら満面笑みで喜んでいた。でもチケット取るには、俺が、ツアー会社との交渉し、航空券、ホテルの予約も全て俺にやらせるのだろと勇三は奥さんの静香さんに心の中で訴えていたが、そんなこと気にもとめず、静香さんが、最後には私に任せて下さいとまで言った。

 これで手柄は、静香さん、失敗したら、全部、勇三の責任であり、たまんないよなーと、勇三は心の中でつぶやいた。そして午後14時になり、食堂を後にした。勇三も通常通りの仕事に戻り、摘果、梨の袋かけネット張りとなり梅雨を迎え。今年も大雨に気をつけて、早めの収穫を考えていた。

 梅雨が明け、強い日射しと共に梨の生育状況を見だが、順調であった。8月になると大きな梨から収穫し、奥さんの静香さんもこのシーズンは、梨の収穫に駆り出された。お盆過ぎがピークとなり収穫された物から、夕方、涼しい頃に買いに来る人が増える。

 夜21時まで販売所で梨を売りまくった。今年はできるだけ8月中に全部収穫を目指して在庫品が少なくなる様に積極的に売り10kg単位の無料配達での注文も多く数年に比べて短期間に販売終了することができるようになった。
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