6:現場到着につき状況開始 1
文字数 792文字
指定された場所についたということで、二人は車を降りました。
車が停まった場所は、あるテントの前でした。
二人はテントの前にいる守衛に話しかけましたが、どうやらすんなりとは入れてもらえなかったようでした。
沙雪さんはこのまま文句を言い続けそうな気配を発しているサーニャちゃんを見て、ため息を吐いた後でそう言うと、サーニャちゃんの傍から離れていきました。
ただ、気にかかることがあったのか、数歩だけ進んだところで立ち止まって振り返ると、
念を押すように、少し低めの強い声音でそう言いました。
サーニャちゃんは沙雪さんの言葉を受けて、本当にうざったいと思ってることがわかる表情を浮かべながらそう言って。
言葉通りに、沙雪さんを遠くへ追い払うように手をぷらぷらと振ってみせました。
沙雪さんはサーニャちゃんの言葉を聞いて、少しだけむっとしたような表情を浮かべたものの――吐息を吐いてから表情を諦めのそれに変えた後で、サーニャちゃんの傍から離れていきました。
サーニャちゃんは沙雪さんの離れていく背中を見送った後で、ため息を吐きました。
そう言って、サーニャちゃんが視線を移したのは目の前にあるテントではなく、後ろに広がる災害現場でした。